台南オーガニック農場見学!台湾人農家がどんな感じでオーガニック農作物を作っているのか、現地に行ってきました


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いま流行の兆しがあるオーガニック。その農場を台湾の台南で見学してきました。

こんにちは。2015年12月に台湾の台南市へ引っ越すまえちゃん@Maechan0502です。

さて最近よく耳にするようになったオーガニックという言葉。ぼくもワーキングホリデーでオーストラリアに住んでいた時は、オーストラリア随一のオーガニックタウンのバイロンベイを訪ねたり、フリーレンジと呼ばれる放し飼いのニワトリのお肉をスーパーで買ったりしていました。

しかし台湾でワーホリをやっている今はすっかりオーガニックという言葉すら疎遠になり、台北の都市生活にどっぷり浸かっていたんですが……

なんとひょんなことから、台湾の台南にあるオーガニック農場を見学できることに恵まれたのです。

理由は日本の兵庫県淡路島から友人が訪ねてきて、「オーガニック農業を日本でやっているから、台湾のオーガニック農場を知っていたら見学してみたい」と言われ、ぼくの台湾人の友人のツテを辿ってみたことから始まったので、思わぬ形で人はつながるものです。

というワケで、今回は台湾のオーガニック農場を見学したのでレポートしてみました。

ではどうぞ。

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そもそもオーガニックとは何なのか?

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さてその前に軽々しくオーガニックという言葉を使っていますが、オーガニックという言葉は何を意味するんでしょうか?振り返ってみれば恥ずかしい話ですが、ぼく自身も「オーガニックと有機栽培の違い」すらわからずに「オーガニック」という言葉を使っていました。

そこで日本人のオーガニック農場で働いている友人に聞いてみたところ、まず世の中には慣行栽培と有機栽培という2つの農法があるようです。

まず慣行栽培とは肥料や農薬を使って栽培するやり方で、こちらが一般的なぼくらがイメージする畑の農業になります。日本だけではなく、世界的に広くやられているのがこちらの慣行栽培です。

次に有機栽培はJAS (日本農林規格)の定めた有機JAS規格をパスしたもの。「3年以上農薬や肥料を使っていない土地で育てる」などの基準があり、それを満たして合格したものがJASのマークを付けて、有機農作物として販売することができます。

オーガニックとは有機栽培と同じく有機肥料で無農薬の農作物かつ、JAS (日本農林規格)を通っていないものをオーガニックと呼ぶそうです。

さらに自然農法という方法もあり、こちらは完全なる無肥料・無農薬で作る農業の方法になります。

だからオーガニックというと有機肥料かつ無農薬のものを指しますが、基準がないので「作っている人間がどういう考えでそのオーガニックの農作物を作ったのか?」を確かめないと、「オーガニックというなんとなく良さげな雰囲気で流されていることになる」と勉強になりました。

台湾の台南市の農場にて

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今回はぼくのフィリピン英語留学&オーストラリアワーキングホリデー時代の台湾人仲間、オーリーが働いている農場を案内してくれました。

台南市に着いてご飯を食べた後、オーリーのクルマで台南市の郊外にある農場に到着。台南駅からクルマで30分くらいでした。

台南市は1930年に日本人の八田與一技師が設計した烏山頭ダムの完成後、そのおかげで台湾随一の穀倉地帯に変わったこともあり、農場も多いようです。

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友人たちと中に入ると、そこに菊が花盛りでした。「菊なんてオーガニックで作って何になるんだ?」と思ってしまいましたが、こちらは聞いてみると「菊のお茶や漢方」になるそう。お茶にするところが、さすが台湾だなーと思わされました。

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菊のお茶を飲んでみましたが、なかなか美味しかったです。

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オーリーの仕事は今のシーズンだとひたすら菊の花を摘むこと。

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右の菊と左の菊は左のほうが綺麗なのが一目瞭然ですが、こちらでは左だけ摘んで、右の見てくれの悪い菊は捨てるそうです。

オーガニックなんで「何でもそのままが良いのか?」と思っていましたが、どうやら台湾のこのファームは違うようです。

プチトマトの畑も案内してもらった

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続いてプチトマト畑も案内してもらいました。

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農場はかなり大きく、プチトマトなども虫や毒にやられないよう、ここではハウス栽培の模様。

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こんなムカデか、毛虫をよけるためにあるのですが、それでも虫は入ってくるようです。オーリーは1日8時間、ひたすら虫取りをする時期もあると言っていました。

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トマト畑の中には青い虫取り紙もあり、それがところどころ張られています。さすが暑い台南という感じ。

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こちらも食べさせてもらいましたが、瑞々しくて美味しかったです。

台湾のオーガニック農場で育てられているニワトリ

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台湾のオーガニック農場で育てられているニワトリも見てきました。

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小屋に飼われています。正直ここのオーガニック農場は、狭くて歩けないようなスペースにニワトリを閉じ込めませんが、小屋には閉じ込めるようです。

おそらくぼくがオーストラリアのタスマニアで見てきたフリーレンジ (放し飼い)のニワトリには合致しないので、「そこまでオーガニックじゃない」とあとで感じました。

ただこのやり方が悪いというわけでなく、オーガニックとは本当に生産者の考え次第なので、これはこれであり。別にオーガニックの概念に違反してるわけでもないので、あとは自分が「この環境で育てられたチキンを食べたいか?」ということになります。

効率化を追いつつも、水を無駄にできない台湾農業の水やり事情

台南の農場を見学したぼくらですが、ぼくが一番興味を惹かれたのが水をやるときのシステムです。台湾の南部はあまり雨が降らないので、ため池に水を溜めていると説明を受けました。

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農場内にある溜め池があり、ここから最新の設備を使ってコンピューター制御で水をやっているようです。

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農作物は鉄とパイプで囲まれ、そこに直に必要量の水を溜め池から供給されるとのこと。

オーリーの話では、台湾人の彼らは同じく水の少ないイスラエルの灌水(かんすい)農業を見習い、この技術を取り入れているそうです。ただこのテクノロジーはイスラエルで開発されたものですが、台湾の工場で独自生産された台湾製の灌水機械だと聞きました。

他の場所にある農場もコンピューター制御

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また他の場所の菊畑の水やりもコンピューター制御。日本だと水があるのでホースで撒きますが、水不足の台湾だとそうはいきません。

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畑の奥にあるタンクに水を溜め、そこからボタンを押して操作。

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同じように張り巡らされた鉄パイプを伝って、水が撒かれるようです。

台湾人のオーリーにいろいろ台湾のオーガニック事情について聞いてみた

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オーリーにいろいろ質問をぶつけてみると、台湾の消費者はオーガニックの需要がまだ低いそうです。

近年台湾でも食の安全が問われ、夜市で使われていた揚げ油が、実は廃棄したはずの油を業者が再利用してもう一度使っているなど問題になっています。

またタピオカミルクティーで使われるウーロン茶に農薬が混じっていたり、非常にいろいろと問題になっているはずなのですが、それでもオーガニックの作物を買う人は少ないとのこと。

そして購入する人も「見た目が綺麗なものじゃないと買いたくない」という意識があるので、水やりを効率化させる一方で、虫がつかないようにネットを張り巡らして、オーリーはほぼ1日中虫を捕っているシーズンもあると言っていました。

卸先が給食で使うときは見た目が汚くても問題ないですが、できる限り綺麗さを追い求めるそうです。

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菊を選別し、綺麗なものだけを摘むのは消費者のニーズがあると聞きました。

逆に日本人の友達が研修を受けているオーガニック農場は、虫食いがある葉っぱを買ってもらう買い手に理解してもらっているので、そこが違うようです。

また日本では有機栽培の基準はJASが管理していますが、台湾では会社が独自に基準を決めてマークを作っているとのこと。8社ほどが作っていて、ここはMOMという規格の基準で作っているそうです。

調べたら日本人の岡田茂吉という自然農法を提唱した人の影響を受けていて、日本ともつながっていることがわかりました。

販売経路として面白いと思ったのは、ここがインターネットのサイトで売っていていることです。Facebookページを持って更新し、サイトで販売しているとのこと。

こちらのオーナーは政府の機関が開催している野菜の品評会で優勝した経験があり、その評判があるのでインターネット経由で野菜が売れるようです。

「いろいろとハイテクなことをやっているんだ」という印象を持ったのが、今回の台湾オーガニック農場でした。

台湾のオーガニック農場を見学したぼくの感想

Tainan organic farm 0116オーナーと友人の大小島兄弟と一緒に

ぼくらが見学してきた台湾のオーガニック農場はこんな感じでです。ぼくとしてはオーガニック農場といっても、非常に台湾らしいと感じました。

たとえば最後に聞いた「野菜の品評会で優勝したから、インターネット経由で人が注文してくれる」というのも、非常に台湾人らしい話だと思います。なぜなら台湾人は本当に権威に弱いからです。

ぼくも以前台湾人の友人に「台北の美味しいコーヒーカフェを、キミの基準で教えてよ」と聞いたら、

「いや、人によってコーヒーの美味しさは違うからどれが美味しいとは言えない。でも自分はここのカフェが北欧のバリスタコンテストで優勝した」という情報なら伝えられる」

と言われ、ぼくの聞きたいことと全然違う答えを返されたことがありました。

当時はなんでそんなことを言ってたのか?と思ったのですが、振り返ってみると今なら台湾人は非常に「面子(メンツ)」という自分のプライド (時には世間体)を重要視することに気付きます。なぜなら台湾人にとって、自分の基準で伝えた基準が相手にとって美味しくなかったら、面子が丸つぶれになるからです。

だから自分のことより「どこどこの品評会で1位を取った」という評判に価値を見いだすので、オーガニック農場でも評価される基準がコンテストの優勝になるんだと、あらためて感じました。

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オーガニックは最初に触れた通り、「生産者がどんな考えで作っているか?」に共感して買うのが大事だと日本人の友達から話を聞いたのですが、ここ台湾では消費者が「綺麗で評判のいいものを食べたい」というニーズを持っているので、ここのオーガニック農場はまたひと味違うのかと思います。

しかしぼくはこの話を農場に足を運んで聞いたので、やっぱり「ひとえにオーガニックといっても、直接生産者から話を聞かないとわからないんだ!」と思い知らされました。

たしかに現地まで行って「ここの農場で育てられたものを食べたいと思うか?」そして「生産者の考えに共感するかどうか」を確かめるのは非常に面倒です。ええ、ぼくも農場へ行く前まではそう思ってました。

でもアップル社のiPhoneやMacBook Airを、作り手の故スティーブ・ジョブズの「世界を変えたい」という想いに共感して伝記まで読んで使う人がいるように、これからは食べ物もそうなっていく予感がしました。

ぼく自身はオーガニックや食べ物に興味あるので、これからも追いかけ続けてみる予定です。

ではまた。

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