オーストラリアでワーホリすると32.5%の税金が取られるかもしれないんですが、あのニュースはけっこう間違いだらけなのを知っていますか?
こんにちは。2013年11月から2014年10月まで1年間オーストラリアワーホリしてたまえちゃん@Maechan0502です。
ここ数週間オーストラリアワーホリのニュースが流れているんですけど、これからワーホリする人が誤情報で「32.5%も税金取られたらオーストラリアで暮らしていけないよ!」と悲しんでるので、経験者が解説してみます。
「32.5%の税金なんて3年前にぼくがオーストラリアに居た時から取られてたよ!」
って感じだからです。
というわけで、経験者がオーストラリアの税の仕組みと、おカネを稼ぐよりもワーホリで大事なことを声を大にして伝えたいので、久しぶりにオーストラリアワーホリ記事を書いてみます。
ではどうぞ。
最近オーストラリアワーホリ界隈を騒がせているワーホリ税って何?
さて2016年5月になってから、オーストラリアワーホリ界隈を騒がせているニュースがあります。それが32.5%の税金を取られるバックパッカー税 (日本ではワーホリ税として有名)を2016年7月から導入しようという動きです。
2016年5月10日のニュースを引用してみましょう。
【シドニー時事】オーストラリア政府は7月から、ワーキングホリデー(ワーホリ)査証で就労する外国人の若者に対する所得税率を、0%から一気に32.5%に引き上げる。
手取り収入の激減は避けられず、ワーホリで滞在中の日本人からも「暮らしていけない」と悲鳴が上がっている。
従来は豪国民と同様、年収1万8200豪ドル(約145万円)以下なら非課税。政府は財政再建策の一環で、ワーホリの若者らを対象に、中所得者並みの所得税率を課すことを決めた。
しかしこの情報は2016年5月17日に訂正されました。
【シドニー時事】オーストラリア政府は17日、滞在中に一定の就労が認められる「ワーキングホリデー」制度を利用する外国人を対象にした所得税導入を半年間先送りし、内容を見直すと表明した。
豪滞在中の日本人の若者からも「生活困窮を避けられた」と安堵(あんど)の声が上がっている。
増税案は「バックパッカー税」と呼ばれる。今は一定額以下なら非課税だが、7月から少額でも32.5%の所得税を課す計画だった。国民の若年失業者保護と税収増加が狙いだ。しかし、農業界や観光業界が若年外国人の雇用を確保できなくなるとして猛反発し、延期を余儀なくされた。
要約すると、2016年7月からオーストラリアでワーホリする人間は32.5%の税金を取られそうだったけど、半年後の2017年1月から「やるか、やらないか?」の問題が先送りされたというものです。
時事通信に「手取り収入の激減は避けられず、ワーホリで滞在中の日本人からも「暮らしていけない」と悲鳴が上がっている。」と書いてあって、それに不安を煽られていた人が多いようです。
でもこれ、書いた記者の事実誤認でめっちゃ間違ってるので気をつけてください。
なぜならオーストラリア在住の外国人は、すでに32.5%の税金を天引きされて給料を支払われるからです。
オーストラリアのローカルジョブで働く時の契約上、Tax file number declarationという書類にサインした時点で32.5%を引かれることを義務付けられるので、オーストラリアの銀行に振り込まれた給料は32.5%引かれいてるからです。
現にぼくもオーストラリアの法律を守っているパースの寿司屋で働いてた時は、給料から32.5%の税金を引かれて銀行に振り込まれてました。
法律が施行されても、手取りが激減する人間なんて存在しません。
ただこの法律が仮に施行された時に問題なのは、取られた32.5%の税金が1年後に返ってくるオーストラリア独自のタックスリターン制度に影響が出る点です。
タックスリターン それは32.5%の税金をほぼ全額取り戻せる制度
オーストラリアでは32.5%の税金を取られると、ぼくは書いてきました。
しかし今までオーストラリアでワーホリしていた外国人が得だったのは、徴収された32.5%の税金をほぼ全額取り戻せていたからです。
これをタックスリターンと言います。
オーストラリアの税金を納める期間の計算は変わっていて、毎年7月1日から翌年の6月30日で締められます。そして7月以降に納め過ぎた税金を取り戻せるタックスリターン期間が始まるんです。
ここで証明書を提出すれば、なんと年収140万円以下の人は32.5%の納め過ぎた税金がまるまる返ってくるんですね。
ぼくも2回やりましたが、1回目は約6万円、2回目は約19万円が銀行口座に返ってきました。
詳しいやり方は過去に書いたこの記事を参考にどうぞ。
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この臨時ボーナスがあるから、
「オーストラリアで働くなら、オーストラリアの税制度を守っているローカルジョブに就け。働いている時は税金取られるけど、後々ほぼ全額返ってくるから」
とオーストラリアワーホリを経験した日本人の先輩方が、これからワーホリする日本人に向けて口酸っぱくアドバイスしてきたわけです。
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でももし32.5%の税金が取られるバックパッカー税法が施行されたら、このタックスリターンはできなくなります。
この部分を巡って今オーストラリアでは論争を続けてるのです。
これからワーホリに行く人は税金取られる仕事を素敵な仕事だと心得るべき
ではいったんまとめると、こんな感じです。
- オーストラリアワーホリして働いた時点で32.5%の税金が取られる
- ただ32.5%の税金は翌年の7月からタックスリターン制度でほぼ全額取り戻せる
- 2017年1月からこの制度は変わるかもしれない
という状況になっています。
ただぼくが注意してほしいと思っているのは、誰もがオーストラリアで税金を取られる素晴らしい仕事に就けるわけじゃないという事実です。
税金を取られる仕事はオーストラリア人も働ける仕事であり、競争が激しいんです。
だから英語力や運のない日本人はオーストラリアの法律を守らない低賃金な違法な仕事に就く可能性があります。
これがいわゆるキャッシュジョブと言われている仕事で、政府に見つからないように給料は現金手渡しされているんです。よくオーストラリアの日本食レストランや中華料理店で働くとこのパターンに陥ります。
法律では時給15〜17ドルなのに、違法な場所で働くと時給10〜12ドルが相場。
もし仮に32.5%の税金を取られるワーホリ税 (バックパッカー税)が施行されたら、時給16ドルの仕事をしても、32.5%の税金を天引きされると時給10.8ドルになるので、これから時給12ドルの違法な仕事のほうがいいかもしれません。
でも現状、オーストラリアで時給の高いオーストラリアの法律を守る仕事はガッツのある台湾人や香港人がさらっていきます。
日本人は正規の仕事が見つからず、妥協して法律を守らない日本食レストランで働く人が多いのは今も変わりません。
これから32.5%の税金が取られるかわかりませんが、税金取られる仕事に就けると、オーストラリアではワーホリ勝ち組という認識が一般的です。
法律がどう変わるかはわかりませんが、32.5%の税金が取られなければ今まで通り正規の仕事にみんな集まる。
32.5%の税金が取られるようになったら、時給12ドルの違法な仕事にワーホリ従事者は殺到することでしょう。
いちオーストラリアワーホリ経験者、マエハラの意見
というわけで、経験者が語るニュース解説はこんな感じです。これからオーストラリアワーホリする人は、表面的な情報に迷わされないでほしいと思います。
ただぼくはオーストラリアワーホリにこれから行く人に「稼げるから行く、稼げないから行かない」という理由で選んでほしくありません。解説してきたように
自分のやりたい目標を持った上で、オーストラリアでワーホリしてほしい。それが大人の夏休みのワーホリができる日本人の特権だとぼくは思うからです。
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オーストラリアでもらえる給料は、正規や違法どっちであれ、滞在当時にもらえる給料の額面は変わらないのは、ここまで説明した通りです。
一部の本当にいい仕事に就かない限り、オーストラリアでも時給は1,000〜1,200円くらいなので、別に東京で働いたほうが良い場合があります。これから仮に32.5%のワーホリ税が施行されれば、ますますそんな印象は避けられません。
でもぼくが現地で見てきたのは、もうぼくら日本人は働きすぎなくて良い国に生まれたという現実です。
オーストラリアで時給20〜30ドル (2,000〜3,000円)の仕事は、国に帰れば時給500円くらいの台湾人や香港人がさらっていきました。稼ごうと思ったら、そんなハングリー精神を持った彼らと張り合わないといけないのです。
でもぼくらは日本に帰ればアルバイトでも仕事があるし、日本で正社員になれば働き過ぎる暮らしが待っているのだから、新しい生き方のヒントをオーストラリアで探すべきだと思います。
カフェ、サーフィン、オーガニック食品の先進国で、豊富な大自然があるだけでなく、昼からビールを飲み、夕方の5時にデパートが閉まる信じられない国オーストラリア。
国に帰れば仕事があるぼくら日本人には、それを学ぶ余裕があるんです。他の国の人はオーストラリアの高時給目当てで働くけど、先進国に生まれたぼくらは
もっと自分らしく生きるにはどうするべきか?
それを1年ないしは、2年間のオーストラリアワーホリで、自分と向き合って考えるべきなんじゃないでしょうか?
仕事をクビになったり、騙されたり、台湾人に振られたり、ぼくも本当に1年間でいろいろありました。でもオーストラリアで過剰に働くことに流されずに、自分のやりたい「次の台湾ワーホリとブログで稼ぐこと」に絞って、本当によかったです。
それでは一人でも良いオーストラリアワーホリを送る人がいれば嬉しいです。
ではまた。
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