あこがれのブログ収入で海外に住めるようになったのに、気づいたら全然幸せじゃない人間になっていた……。
そんなあるプロブロガーの失敗談を聞いてもらえませんか?
どうも。ブログ収入で生活して、そろそろ2年になるまえちゃん@Maechan0502です。
さて一般の人には珍しい仕事だと思うのですか、ぼくの仕事はブログを書くことです。
ブログを書いて、多くの人に読まれたり役に立つものを勧めることで、グーグルやアマゾンから広告収入を受け取って海外で生活しています。
パソコンとネットさえあれば世界中どこでも仕事ができるし、好きな時に働き、好きな時に休むことができる暮らしを始め、もう2年間やってきました。
しかしです。最初は自分があこがれの生活ができて幸せだったんですが、この1年間くらい全然幸せじゃない精神状態だったのに気づいてしまいました。
いや、「ブロガーという働き方が悪だ」という気はありません。でもあこがれのブログ生活ができた後、ぼくはある理由で自分を見失い、迷走してしまいました……。
ブログで独立すると報告する人はよくいますが、プロブロガーになってからの失敗談はネットを見ても少ないので、今回は恥ずかしい失敗談を紹介します。
ではどうぞ。
あこがれのブログ収入で海外に住む目標を叶えた時、どんな悩みが始まったか?
さてぼくは最初に書いた通り、現在ブログとWebライターとして仕事をしながら、海外で暮らしています。
ブログ収入を正直に話すと、だいたい平均して月に20〜25万円くらい。これに他の収入源が加わるので、トータルだとだいたい30代前半の平均月収と変わらなくなってきます。
しかし本来ぼくがブログをやり始めた動機は、ブログ収入で生活したいからではありませんでした。もともとは紙の本の出版がしたくて、出版した時の読者をブログで集めるために始めたんです。
海外生活もしたかったので、海外就職をしながら仕事終わりにブログを書き、そして本を出す準備をする。それが最初の計画です。
けれども、ぼくの人生はブログを始めたことで変わります。
ターニングポイントは、2012年にある有名ブロガーが渋谷で開いたワークショップでした。
出版のきっかけになればいいと思って参加したブログワークショップで、ぼくは主催者の人から「実はブログで10万円近い収入を得てる」とこっそり教えてもらったのです。
さらにその後フィリピンに英語留学した時、台湾人の友達から「台湾なら月10万円あれば生活できるぞ!」と言われ、ぼくはブログの出版までの中間目標を「月10万円稼ぎ、台湾に住む」に決めました。
ちょうど4年くらい前の2013年7月のことです。
しかし今振り返ると、ぼくのプロブロガー生活の落とし穴は「月10万円のブログ収入」にゴールを設定してしまったことにありました。
なぜならそれから2年後。月10万円のブログ収入を得て台湾に住めるようになった時、ぼくは次のやりたいことを見失ってしまったからです。
プロブロガーになって覚えた「後ろから追い抜かされる焦り」と「時代についていかなきゃいけない悩み」
「あれ、意外とプロブロガーってしんどくないか?」
あこがれてたはずの台湾の生活に慣れてしまい、銀行口座に振り込まれるブログ収入を当たり前になって、ちょうど2年間が経とうとしていた頃です。
ぼくは自分のツイッターのタイムラインを眺めて、自分のプロブロガー生活にしんどさを覚えるようになっていましした。
なぜならぼくのタイムラインには「ブログ始めて2年で月100万稼いだ」「ツイッターで1ヶ月で1,000人フォロワーを獲得した」「時代とブログより動画!YouTuberの人気と収入がヤバイ」なんて報告であふれていたからです。
どうやら上には上がいるようで、世の中にはたった2年間でブログ収入100万円を達成したブロガーが何人もいるようです。それもぼくより年下で何人も。
自分は2年半でやっと月10万円くらいだったから、オレって才能ないんだな。
ぼくは無意識のうちに、自分とその年下のブロガーたちと比べ、深く落ち込みました。
そしてそんなツイートを度々目にするたびに、いつしか「その金額はもう金持ち自慢だろ……」とウザいと感じ、嫉妬していったのです。
一方で、自分のやりたい出版目標にはどれほど近づいてるんだかわかりませんでした。
人気ブログを作ればいいのか?と月間30万PVのブログにこのブログを育ててみましたが、4年経った今でもオファーはきません。
一度ブロガーの飲み会の席で、編集者の人を紹介してもらったこともあります。でもぼくの出したい本の企画を話したら、
「こっちも商業出版だから、その企画だとありふれてるし、お金になりそうにないよね」
と言われ、キミみたいな本を出したい人なんてウンザリするほど見てきたんだよ、と冷ややかな顔で見つめられました。
ぼくは自分の準備の浅さと自己嫌悪で、その場から逃げたくなりました。
それなら自分で電子書籍を書いて実績を作ろうと、今年の6月にオーストラリアまで取材に行きましたが、3ヶ月やっても書き上がらないので、減っていくブログ収入が気になって途中で投げ出す始末。
たぶんまだ出版するタイミングじゃないんだろうな。じゃあ次は何をやればいいんだろう?
気づくとぼくはツイッターのフォロワーを増やそうと試みたり、YouTuberになったブロガー仲間に相談していました。
しかしぼくが迷走しているのは、見る人が見ればちゃんとわかっていたようです。
先月のことでした。ぼくはLINEで元ニューヨーク在住の古いブロガー仲間のさがやんに、こう言われたのです。
「カズさん、最近何がやりたいのか、見ていて全然わからないっす」
ぼくは「ハッ」とさせられました。
なぜならそれは3年前、ぼくがニューヨークで迷走しているさがやんに言った言葉だったからです。
https://maeharakazuhiro.com/sagayan-uninterest/
充実してる人と迷っている人の差はいったいどこにある?
あの頃は迷っていませんでした。「まわりの人は無理だって言ってくるけど、月10万円のブログ収入を得て住むんだ!」そういって頑張ってきました。
そうやって日本、フィリピン、オーストラリアでブログを書き続け、ブログ収入6万円になった頃、ぼくは台湾に移り住んだのです。
ビビってたけど、見切り発車でいいからやりたいことを叶えるために。そしてその目標は半年後に現実になりました。
一方でニューヨークに住んでいたさがやんは迷っていました。
はたから見るとブログやプログラミング、サイト制作、海外起業と手を出し、ぼくやまわりのブロガーから「何がやりたいのよ?」と言われ、それでもあがく日々。
でもいま彼は日本でディレクターとして頑張っています。あんなに迷っていたけど、ようやく自分のやりたいことを見つけて。
「……自分がいま心からやりたいことってなんだろう?海外目指した時やブログを始めた時のように」
彼とLINEをした翌日、ぼくはその日いたタイのバンコクのホテルで丸一日考えました。
もうこれ以上他人の考えに流されないようにスマホの電源を切り、白いノートを開き、ペンで書き出して。
すると、半年以上悩んでいたのがウソだったみたいに、答えがすぐ見つかりました。
開いたノートにはこう書いていました。
「紙の本を出版社から出版する。そのキッカケを掴むために、書きかけてた電子書籍を出す」
そうです。答えはずっと自分の中にあったのに、ぼくが立ち向かいたくないから目をそらしていただけだったのです。
やれることは全部やったのか?
知らない編集者1人くらいに否定されたからって、あきらめきれることだったのかよ。
今いる場所はとっくのとうにあこがれの場所ではなく、慣れきった現実なんだから。
ここから抜け出すためには、逃げてる自分と向き合って、失敗してもいいからもがかないと。
恥ずかしい話ですが、ぼくはようやくその事実に気づきました。
最後に ぼくらは会社をやめたり、海外に行ったら、幸せになれるんだろうか?
「これから会社を辞めます。海外に行きます。ぼくはもう今いる現実から縛られない。これで自由だ!」
よくネットではそんなストーリーが語られます。ぼくもそれを語った1人でした。でもぼくらは会社をやめたり、海外に行ったら、本当に幸せになれるんでしょうか?
当事者のぼくは、全部を肯定できません。
なぜならぼくは、あこがれだった海外生活を始めても、自分のやりたかったブログで稼ぐことが叶っても、その先で新たな悩みにぶつかってきたからです。
たしかに目標を追いかけて、あこがれが叶った瞬間とその後はしばらく幸せだと思います。
でもあこがれが現実になったら、そこからまた新しい悩みが生まれ、どうすればいいかあがく日々。
だからぼくらは一生「自分が何をやりたいのか?」を自分自身に問いかける必要があるんでしょう。
そう、会社を辞めたり、海外に行ったり、ブログで稼ぐなんてのは表面的なことだったのです。
大事なのは、今いる場所からなりたい自分に向かって歩いているかどうかで、誰かと比べてしまえば会社員であろうとプロブロガーであろうと、不幸という落とし穴に落っこちしてまう。
本当に価値があるのは、誰かと競争した10勝3敗ではなく、なりたい自分になるために自分自身と競争した3勝10敗でした。
そしてやりたいことを追いかけてる時間が本当の幸せなんだと思う。
悩んで、悩んだ末に、ぼくはようやくそう思えました。
考えてみればぼくが幸せだった時間は、誰かに勝った時ではなく、自分のやりたいことを叶えようと海外移住しようと準備したり、ブログで生活しようとあがいてる時間でした。
だからぼくは、今度こそ出版というやりたいことを叶えに行きたいと思います。そのために、書きかけていた電子書籍をまず出す予定です。
もちろん結果はわかりません。でも転んでも立ち上がる覚悟ができたので、あとはできるところまで走ります。
きっと自分への挑戦と失敗こそが、本当の人生なんでしょうから。
あなたは今、本当のなりたい自分に向かって歩いていますか?
ではまた。
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