外になかなか出られない今。
ふだん読めなかった本を読んでみるなんて、どうでしょうか?
どうもこんにちは、実は元ブ◯クオフ店長のまえちゃん@Maechan0502です。
日本にいる方々は、自粛期間中どのように過ごされていますか?
なかなか外出することできず、大変ですよね。
しかし裏を返すと、せっかくの読書チャンス!
というわけで、今回は新卒で千葉県の某古本屋で店長をしてたブロガーのぼくが、オススメするエッセイを3つあげてみました。
あらかじめ言っておくと、どれも読みやすいエッセイばかりです。
何も考えずにお腹を抱えて爆笑できる本。
仕事でも使える面白い見方が詰まった本。
そして台湾のことを深く知ることができる本まで、3冊厳選してみました。
ではどうぞ!
東野圭吾 『あの頃ぼくらはアホでした』
今やミステリーの大御所作家さんになってしまった東野圭吾さん。
現在33歳のぼくも、中学生くらいからファンで、いろんな作品を読んできました。
ミステリー小説としてどれも面白い本ばかりです。
しかし、東野圭吾さんの最初のエッセイが面白いのは、意外と知られていません。
このエッセイは、東野圭吾さんの生まれてから大学生になるまでの昭和の生い立ちが、面白おかしくつづられています。
東野圭吾は大阪の天王寺近くで生まれ育ちました。
なので、この本の中心になっているのは、1960年代から70年代の大阪のエピソードばかりです。
中学時代はヤンキーばかりの荒れてて、球技大会のバスケの試合が不良の殴り合いの抗争みたいになった。
高校時代はお金がなさすぎて、定期券を偽造を試み、お金を浮かそうとした。
大学時代の新入生歓迎会では、隠し芸ができない罰に飲まされまくった。
などなど、令和の今読むと、「ゲッ!?」となることもあります。
いや、おそらくコンプライアンス的にアウトでしょう(笑)
でも爆笑のエピソードがたくさんあって、本当に面白いです。
途中のウルトラマンやゴジラの特撮ドラマの話だけオタクっぽくなるので、そこだけ読み飛ばしてもいいかもしれません。
何も考えずに笑いたい人にオススメです。
斎藤由多加 『「ハンバーガーを待つ3分間」の値段』
続いて、ゲームデザイナーの斎藤由多加さんが書いた『「ハンバーガーを待つ3分間」の値段』を紹介します。
斎藤由多加さんは、セガが出したドリームキャストで、『シーマン』を作ったゲームデザイナーさんです。
ありましたよね、口の悪い人面魚のペットを育てるゲーム。
このエッセイは、見過ごしがちな世の中の出来事を斎藤さんが考察し、アッという本質を解き明かしてくれます。
たとえば、携帯電話はなぜヒットしたのか?という現象を、著者はこう解き明かします。
むかしガラケーと呼ばれていた携帯電話は、実は機能的に無線機に近いものでした。
でも普通の人は無線機を持たされたところで、何をやればいいか迷ってしまいます。
そこで当時のNTTがすごかったのが、この無線機を「携帯電話」と言い切ったことです。
携帯電話と言われたことで、人は「電話が持ち歩けるなら便利だ」と思い、ここまで大ヒットしたのです。
もし、「未来型のマルチユース無線機」など小難しい名前で宣伝されたら、新しいもの好きのオタクしか買わなかったでしょう。
あたらしいものは、世の中の人に受け入れるのが難しいです。
だから、すでにあるものの名前を借りて、ひっそりと入ってくると、意外と人はすんなり受け入れるのです。
これだけ聞くと、「フーン」と思うかもしれませんが、この考えは『シーマン』というゲームにも使われています。
『シーマン』は世界初の音声認識ゲームでした。
しかし、2020年の今でもiPhoneのSiriに向かって話しかけることに、抵抗を覚える人は多いでしょう。
20年前のドリームキャスト、PS2の時代に発売された『シーマン』は、もっと抵抗を持たれていました。
そこで斎藤さんが取った画期的な方法が、「シーマンはペット」と言い切ったことです。
これにより、音声認識技術なんて難しい言葉を使わず、「シーマンはペットだから話しかけましょうね」とゲームのルール説明をして、大ヒットを飛ばしました。
目からウロコとは、まさにこのことです!
このエッセイは、ふだん何気なくぼくらがいる見ている、世界の見方を変えてくれます。
ふつうに読んで、「面白い!」と思うもよし。
仕事にも使えるかも!と興味深く読むのにも使えます。
ちなみにこの本は、株式会社リクルートの新人研修でも使われたので、ビジネスにも使えるのはお墨付きです。
一青妙 『私の箱子』
最後にこのブログはメインテーマが台湾なので、台湾にゆかりのあるエッセイも紹介します。
それが一青妙の書いた『私の箱子(シャンズ)』です。
一青妙さんは、歌手の一青窈さんのお姉さんで、現在は歯医者さんとエッセイストとして活動されています。
ここ10年間で台湾はグッと身近な国になりました。
台湾に訪れる人は年々増えて、タピオカミルクティーは日本に輸入され、ブームを巻き起こしたほどです。
でも台湾の国の歴史を知らない人は多いと思います。
それをこのエッセイは、一青妙さんの家族の話を通じて、台湾の歴史を追っていくエッセイです。
台湾が日本の領土だった時に生まれ育った台湾人のお父さん。
まったく台湾と関わらず、日本で生まれたお母さん。
この二人が東京で出会い、台湾に引っ越して子供達が生まれ、再び日本に戻ってきたと思ったら、相次いで両親が亡くなる。
そして、大人になった著者が父親の関係者と会いに、台湾へ渡る。
この一青家の家族の話が、台湾が日本の領土だった1945年までと、その後の中華民国時代と重なっていきます。
日本人だと思って育ったのに、戦争に負けて国が変わり、自分が何人なのか?と苦しむお父さん。
小さい頃に育った台湾を再び訪れて、自分の家や父が好きだったスープを出したお店を再発見する場面。
(ぼくら日本人も馴染みのある、あのお店です!)
お父さんが病気になったとき、お父さんのことを想ってお母さんは病名を言わなかったのに、それが原因ですれ違っていくむずかしい夫婦関係
一青妙さんの視点を通じて戦後の台湾を知りつつ、誰の心にもひびく家族の話にまとまっていきます。
その過程は、まるで小説を読んでいるかのようです。
歴史の年表だけだとイメージわかない人もいると思いますが、家族のドラマが重なると、歴史がひとつの物語になります。
読みやすくて感動できるので、台湾をもっと知りたい人は、どんな歴史本よりもオススメです。
さいごに
というわけで、元古本屋の店長のぼくがオススメするエッセイは以上です。
どれも読みやすい本ばかり選んでみたので、ふだん本を読まない人も手を取りやすいはず。
気分を変えたい!ふだんと違うことしてみたい!
という希望にも応えられるチョイスなので、よかったら読んでみてください。
ではまた。
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