安心なぼくらは旅に出ようぜ。今20代が会社を辞めて、海外をなぜ目指すのか? 台湾でラーメン屋を開いる出口裕介さんにしたインタビューを振り返りました

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さて「素人から台湾ラーメン起業へ。台湾でラーメン屋を開いる出口裕介さんにインタビューしてきました」という4つにわけたインタビューをお読みいただきありがとうございます。ぼくが出口さんと知り合ったのは、SNSのツイッターがキッカケでした。2014年にぼくがオーストラリアにいて、「次は台湾でワーキングホリデーしたい」とブログに書いた記事に反応してもらったのが交流の始まりです。

その後2014年の12月に台湾へ訪れた時に武藤ラーメンをぼくが訪ね、そこからリアルな付き合いが始まりました。

まさかその時はこんなにも何もない状態からお店を立ち上げたとは思いもしなかったんですが、今回のインタビューをしてビックリしました。

ラーメン屋経験ナシ、中国語もできない、おまけに海外旅行も2泊3日しかしたことなくて、台湾でラーメン起業に挑戦するなんて驚愕の一言です。

しかしインタビューを書き起こしている時に、この出口さんの生き方はこれから海外へ挑戦しようとしている人に届けたい。そしてそんな子どもを持った親世代や、大企業で働いている20代、30代の同世代の友達にほしいと感じるようになりました。

なぜならこれから海外挑戦しようと準備している人は、これから新しい挑戦をしたいけど、先が見えなくて不安だと思ったからです。

そう「安心した生活が日本にあるからこそ、海外へ行きたくなるんだ」と感じます。今回はインタビューを振り返って、伝えたいと思ったことを最後に書き残したいと思います。

目次

なぜ恵まれた時代に生まれたぼくらは安定した場所を捨てて、海外で挑戦をするのか?

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ぼくはこのブログを書いて2年半になります。そしてこのブログやツイッターのアカウント宛に「海外へ出て新しい挑戦をしたいです」というメッセージを送ってくれる方が多くなりました。

しかしそこで「両親や兄弟が海外に留学したい。ワーキングホリデーしたいという気持ちを理解してくれない」を相談をたまに受けます。

ぼく自身も海外へ行くときは海外で仕事をしたことがある父親は理解してくれたけど、母親を始め、いとこのおばちゃん、そして大きな会社に勤めている友人から反対に遭いました。

「なぜ日本で就職すれば安定しているのに、わざわざ海外に行きたいんだ?失敗したらどうするんだ?」

多くの人が半ば「考えが甘すぎる」と非難するよう言ってくたのですが、今回出口さんのインタビューの中で答えてくれたこの言葉が言い表してくれているんじゃないかと感じます。

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ぼくらの世代って、もうある程度恵まれているので、特にほしいモノとかがないんですよ。別に車も高級車は買えなくても、そこそこの車は買えたし、まあ給料も景気が悪いといったって、最低月に20万円はあって、生活する分には困らないじゃないですか。

「そうなると何がほしいか?」って話を幼なじみの友人とよくしてたんですけど、「死ぬほど頑張った」とか「これをオレは挑戦した」とか、そういう「経験がほしい」って答えっていうか、結論に同世代の子はたどり着くんですね、みんな。

1980年中盤以降に生まれたぼくらは、バブル崩壊後の「失われた20年」と共に育ってきました。しかし「失われた20年」とは言われつつ、スーパーファミコンやMDウォークマン、携帯電話、ほしいモノはなんでも簡単に手に入れられる恵まれた世代だったと思います。

だからこそ出口さんの言う通り、今の20代や30歳前後の人たちはお金では買えない経験ややりがいに惹かれるのではないでしょうか?

しかし1950年代や1960年代に生まれた親世代はモノがなかったり、みんなが正社員雇用という時代に育ったので、ぼくら20代が安定を捨てて、やりがいを求めて海外に挑戦しようというのが理解できないのかと思います。

それがジェネレーションギャップ (世代間意識格差)があり、反対される理由だと思うんです。そしてだからこそ、ぼくとしては親世代にもこのインタビューを読んでほしいです。

ぼくら今を生きる20代は物質的に満たされているからこそ、精神的に満たされたくて挑戦という道を選ぶのだと。

「失敗したらどうするんだ?」と問うこと自体が、すでに失敗した質問である

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しかし親世代や会社勤めしている同世代の人たちがこのインタビューを読んだら、「ほら、見たことか!たくさんの失敗をして大変じゃないか!」というかもしれません。

たしかにそれは出口さんの生き方や台湾でトライアンドエラーを繰り返したことを見ると、よくわかります。でもどこか台湾でラーメン屋をやっている出口さんの表情が爽やかなのは、自分で決めたことをやっているからだと感じるんです。

出口さんは台湾で2014年9月にラーメン屋をオープンし、3ヶ月後の29歳の誕生日を迎えた時にこんなブログを書いています。

最近思うのは、独立、起業することって自分の選択の結果の責任をすべて負うことだ、と。
今、店は順調(?)と思える売上を出しています、が手元に金はありません。
お金なくなりすぎ。

あちこちにお金を払って払って、払い尽くして最後に残るのが自分のお金です。
残らないことも、これから多々あるでしょう。
赤字になったらまたポケットから金を出したり、親に借りたりするんでしょう。

が、それも当然自分のやっていることが生み出した結果です。
だから責任は全部自分にある。文句の言いようがない。

でも、それだけリスク、ストレスを抱えるからこそ毎日を真剣に生きられるし、なんとなく生きる受け身の人生とは無縁で居られます。

自分が選択したこと、自分が決めたこと、それらが形になって毎日、毎月、通信簿みたいに自分に跳ね返ってくるわけです。

これがこの道の醍醐味です。

出口さんのブログ「台湾でラーメン屋を起業して4ヶ月目。鉄火場に投じられたぼくの人生は | ラーメン開業記 in 台湾」より

台湾でラーメン屋を起業して4ヶ月目。鉄火場に投じられたぼくの人生は | ラーメン開業記 in 台湾

自分で決めたことを、自分で受け止めて生きる。受け身で生きるとは真逆の生き方です。

「サラリーマンが嫌だった」という出口さんの言葉がありましたが、それはおそらく出口さんが受け身でサラリーマンをやっていたからでしょう。サラリーマンでも積極的に働ける人には向いていると思いますが、業績が良かろうが悪かろうが安定した給料をもらっていたら、多くの人が受け身になります。

スクリーンショット 2015 10 06 16 55 50ラーメン屋オープン後2週間で腱鞘炎になった出口さんの手

だから出口さんは台湾で自分の責任で生きています。そして実際に辛い目にもあってるんだろうけど、自分で決めたことをやっているから、台湾で自分らしく生きられているんじゃないでしょうか?

他人は失敗したことを取り立てますが、短期的に見れば失敗に見えても、長期的に見ればあの時失敗してたから今の成功があるということもある。

だから他人が失敗と決めつけること自体、おかしいと思います。そして誰になんと評価されようが、ぼくらは他人に評価されるために生きているんじゃないのです。

出口さんは自分への通信簿は他人の評価だと言っていません。それは自分の選択したこと、自分が決めたこと。その結果なんだと。

だからぼくらは自分でなりたい自分に向かって、ただ一歩一歩進んでいくべきじゃないのでしょうか?

飛び込んだ先には失敗だけではなく、素晴らしい出会いも待っているはず

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そして出口さんを見ていると、新しく挑戦する人に待っているのは失敗だけじゃないと思うんです。インタビューをした後に出口さんは、ぼくにこう語ってくれました。

 

ーー出口さんはどうして、挑戦できたんですか?

結局オレも他の人が言ってるような感じになるよ。飛び込んでみたら、その飛び込んだ先で出会った人たちがいい人で、新しく関係を築き、その新しい場所でなじんでいくだけだからさ。

ーーそうか、飛び込んでみたら良い人に恵まれたってことだったんですよね?

そう、台湾人のスタッフにも恵まれたし、お客さんとか日本人の後輩、こうしてボニーとも出会ったからさ。

だからなんとかなるんだよね。まあもちろん飛び込んだら、飛び込んだ分だけ、辛いこともあるんだけど。

まわりの反対する人は失敗のことばかり口にします。しかし出口さんは自分で決めたことを、自分の責任でやり、もう自分がやると決めて飛び込んだ台湾ラーメン起業と、24時間真剣に向き合ってきました。

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その真剣な姿勢が、台湾人スタッフや台湾人の彼女のボニーの助けに恵まれた理由の気がするんです。

だからこそこれから新しい挑戦をしたい人は、自分でやると決めて責任を負えば、出口さんのような素晴らしい出会いも待っているはずです。

これから海外へ挑戦する人は不安もいっぱいでしょうけど、出口さんの生き方を知ってもらい、少しでも背中を押してもらえるキッカケになれば、ぼくはとても嬉しいです。

そしてもし台湾の台北に来る機会があれば、出口さんの開いている武藤ラーメンに足を運んでもらえればと思います。

最後にくしくもこの初めて行ったインタビューは、ぼくが台湾でやっていたアルバイトを辞めて、自分のブログだけで稼いでやっていこうという決意した独立初仕事になりました。

台湾で3ヶ月間アルバイトさせてもらった野菜家のオーナー 天地さんに感謝すると共に、こんな良い話をインタビューさせてもらった武藤ラーメンを経営している出口裕介さんに、本当に心からお礼を言わさせていただきます。

ではまた。

武藤ラーメンとブログ「あしたはもっと遠くへいこう」合同企画

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さて今回インタビューさせてもらった出口さんが経営する武藤ラーメンですが、このインタビューがキッカケで合同企画をさせてもらうことになりました!

なんと「ブログ「あしたはもっと遠くへいこう」で武藤ラーメンの記事を読みました!」と武藤ラーメンでスタッフさんに伝えてもらえれば、「からあげのトッピングが2つ無料」になります!

あの台湾グルメブロガーから「武藤ラーメンはラーメンよりからあげが美味しい!」と評価された美味しいからあげが2つ付いてくるので、ぜひ武藤ラーメンでラーメンを食べにいってみてください!

2015年10月6日から開始です。

武藤ラーメンの行き方はこちららかどうぞ。

赤辛ラーメンは日本でもお目にかかれない美味!台北で開いている武藤ラーメンを紹介します

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この記事を書いた人

職業HP制作業者、ライター、ブロガー。北海道札幌市在住。ブロガーやライターとして培ってきた取材インタビュー能力を活かし、お客様に自分達の商品・サービスが伝わるHP制作業を営んでいます。

過去に1年間のオーストラリアワーホリ、4年間の台湾在住、コロナ禍で帰国。神奈川県横浜市から北海道札幌市に移住し、暮らしています。

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