日本に戻って2年が経ちました。帰国してから、家族、親戚、友達など、いろんな人と関わって思ったことがあります。
「社会人になって新しい友達を作れないと、想像以上に人生が詰みませんか?」
ということです。
20代や30代前半までは希望に満ちあふれて見えていませんでした。大学から会社へ就職して、結婚して、子育てをする。自分もそうなるんだろうと思ったものです。
しかし、社会人になってから15年ほど経つと、思い描いていたのと違う景色が見えてきました。
結婚できない。育てた子供と仲が良くない。会社の居場所もない。なのに、悩みを話せる学生時代の友達は減っていて、気づいたら孤独になってしまう。
文字にするとインパクトはないかもしれません。でも、老後の親戚でそうなっている例を見ると、「自分の未来でもあり得る」と危機感を持つものです。
この記事では社会人になっても友達が増えない仕組みと、それを解決する方法を提案します。
ではどうぞ。
社会人になると新しい友達がなかなかできない仕組み
気づいている人は多いと思いますが、社会人になると友達はなかなかできません。学校に行く代わりに働きに行くからです。
当たり前ですが、会社はお金を稼ぎに行くところであり、友達を作るのが第一目的ではありません。
もし会社に出社するなら、平日の9時から18時は基本的に働くので、空いている時間は平日の夜と土日のみ。
この後の時間で新しい出会いを探し、仲良くなるというミッションをこなすのです。
これが想像以上に難しい。
なぜなら私たちが学生時代まで行っていた友達作りの方法とは違うからです。
小学校から高校までは1年間は同じクラスにずっと居て、休憩時間やお昼休み、授業を通して過ごしていました。
学校側には同級生と交流できるように、運動会や文化祭、修学旅行、放課後の部活動もあります。
小中高校で友達ができる理由はこれです。
しかし、社会人は平日の夜と土日祝日しか使える時間が限られており、自分から何かアクションを起こさないと出会いがないのです。
おまけに数時間で自分と相手の自己紹介して、相手との距離を詰める必要があります。
現代社会でこんな技術に長けているのは、営業マンとナンパ師くらいしかいません。
正確に言うと、SNSを使ったりして仲良くなれる方法はたくさんあります。でも時代に合った新しい友達作りの方法を、現代の日本人は習ってきていないのです。
「社会人になったら、新しい友達を作るのは難しい」と言われてきたのがようやくわかりました。
おまけに学生時代の友達はライフステージを経ることに減るのです。
現在36歳のぼくが経験したり、まわりを観察してきた、学生時代の友達が減る理由を紹介します。
高校・大学・専門学校を卒業してから、20〜30代で友達が減る理由
20〜30代で学生時代からの友達が減る理由です。主に独身で想定してみました。
基本的には仕事の忙しさ、引っ越し(転勤含む)、興味の話題のズレ、異性の恋人、結婚・子育ての5つでしょう。
20〜30代は働き盛りなので、仕事も忙しいです。20〜30代で9時出社して18時に帰れる人はまれでしょう。残業すると新しい出会いに使う時間も減り、土日祝日のみです。
引っ越し(転勤含む)という問題もあります。大学が地方だった場合は東京に出てくるなど、今までの住んでいた場所から引っ越す例はよくあることです。自然と会いづらくなって、友達と疎遠になります。
ちなみにぼくは神奈川県の横浜出身です。35歳になって地元に戻ったら、ほぼ学生時代の友人は地元に住んでおらず、みんな別の地域に引っ越してました。おそるべし、都会の地元!
地方出身者は逆です。田舎から東京や地方都市(札幌や福岡、大阪、名古屋など)に出てきた人は、田舎の地元に戻ると学生時代の友達がいます。
しかし、地元の友達が結婚していており、しかもデキ婚が多いのです。
大学を出て、東京や大阪、名古屋、福岡、札幌で働いていれば、自分のキャリアにはそこそこの上昇志向でしょう。
地元で結婚・子育てしている友達と、東京で働いてる自分の話が合わなくなるのは当然です。
あとは20〜30代は結婚したいので、恋人を探したり、過ごしたりする時間も多くなります。
30代以上の社会人をやっていて、毎週・毎月のように地元の友達や大学時代の友人に会う人は少数派でしょう。
「じゃあ自分も結婚して、子供を育てればいいのでは?」と思うかもしれません。
でも、結婚や子育てが友達少なくなる問題の解決策になるとは、必ずしも言えなさそうなのです。
結婚・子育ては社会に出て友達が減る現象の解決策になるか?
あらかじめ断っておきます。ぼく個人は結婚や子供はすごくいいと思うし、子供がいるから頑張れることもあります。結婚・子育て賛成派です。
ただし、20代や30代前半に見えてなかったのは、誰でも結婚できたり、パートナーと仲が良かったり、子供との仲の良さがずっと続くと思い込んでいたことでした。
日本のデータでも、未婚率は上昇しているし、離婚率はずっと横ばいです。
総務省統計局の国勢調査によると、日本人男性の生涯未婚率は2000年に10%を突破。以降は年々上昇を続け、2015年時点では男性で約23%、女性で約14%にもなるという結果が出ています(図1)。
1990年は男女ともに5%前後だったことを考えると、昭和の常識は本当に通じなくなっていると言ってもいいでしょう。
女性も仕事を持っているので、離婚を踏み切りやすくなっているのもあります。
ぼくのまわりでも、「私も稼いでるし、なぜ魅力のなくなった大きい子供(旦那)の面倒まで見なきゃいけないんだ」という理由で、離婚に踏み切る話も聞きました。
昔は男性が働き、女性が専業主婦だったので、経済格差のために離婚はしにくかったですが、今は違ってきています。
さらに50〜60代の家庭内別居問題も見過ごせません。
スタジオスモーキーというポッドキャストがあります。そこで年上の友達であるカルロスさんが、「会社終わりにドトールでニンテンドースイッチするおじさん問題」を語っていました。
今は残業代がカットされて、労基法も遵守するように厳しくなっています。
しかし、家に帰っても奥さんや大きくなった子供たちと仲が悪い。会社が早く終わっても、気まずいから家に帰りたくない。でも自由に使えるお小遣いは少ない。
だからドトールで300円のコーヒー飲んでゲームしたり、アマゾンプライム見て時間を潰す。
世の中にはこういうおじさんがたくさんいるそうです。(冒頭でカルロスさんが自身の体験と合わせて明るく話しているのですが、肉声なので切なすぎます)
第449回5月13日発刊のプレジデント誌にて掲載された時の取材の模様をダイジェストでお送りします!
よく考えれば、あれだけ潤沢な資金とサポートのある皇族の秋篠宮家でさえ家庭崩壊してるのです。一般人が家庭崩壊しても恥ずかしいことではありません。
このままでは、ドトールで秋篠宮様がニンテンドースイッチしているをお見かける日も近そうです。おっと、話がそれました。
学生時代の友達が少なくなる。社会人になってから新しい友達もなかなかできない。職場や家族とうまくいかなくなった時にどうなるのでしょうか?
仕事と家庭(もしくは単身)生活でうまくいかず、友達も少ないと、どう人生が詰んでいくのか?
仕事と家庭がうまくいかないと、行き着く先は孤独です。ひどくなるとうつ病やボケになるかもしれません。
たとえば会社を定年退職したけど、友人や親戚関係で良好な関係を築いてなかった人は、だんだんとボケ始めてる人もいます(ぼくの身の回りで起きています)
奥さんとの仲は良いけど、友人や親戚間の付き合いでもいい関係を築かないと、老後に刺激がなくてボケるものだと知りました。
孤独とボケが一番の人生で詰むことですが、ぼくが観察した中では、ネット右翼になる人もいます。
家族に無視をされたり、上司に怒られて、身の回りに友人もいない。
まわりから自分という人格が否定されたときに、人は絶対に変わることのない何かにすがります。これ以上、心が壊れないために。それが日本人という属性です。
自分の人格がダメでも、日本人であることは、誰からも否定されません。
だからネットニュースや書籍で韓国や中国をおとしめるコンテンツを読んで、必死に現実逃避をしているのです。
ぼくもネット右翼の人にYouTube上で邪魔されたことが何度もあります。彼らの私生活を探ったところ、みんな現実世界の人間関係がうまくいっておらず、その鬱屈でネット上にトラブルを巻き起こすのだと観察しました。
他にもストレスが溜まっているから、ネットで有名人にいちゃもんをつけたり、直接リプライで批判する例もあります。
こういう人は有意義な会話をしたいわけではありません。普段の生活で無視され過ぎているから、何か反応がほしいのです。
小学生の男子が好きな女の子に振り向いてもらいたい。けれど、どう話しかけていいかわかないからちょっかいを出して怒らせる。
大人になっても同じ構図の不毛な会話をやっている人が、本当に存在します。
最後に
長々と新しい友達ができないと、人生が詰む理由を書いてきました。
この解決策は、社会人になった後も友達を作ることだとぼくは思います。たとえ仕事で忙しく、使える時間が少なくても。
20代の時には気づきませんでした。でも、趣味や情報発信、SNS、語学留学、ボランティア、オンラインサロンなどでの交流を充実させるのは、将来の自分を救ってくれると思うのです。
しかも今はネットも発達しています。社会人の方が気の合う友達も見つけやすくなっているし、学生時代よりも楽しいです。
動かないと地獄が待っているかもしれないけど、動けば天国のような人間関係が作れます。
別の記事ででは、社会人になってからの方がいい友達と出会える理由。友達を作る具体的な出会いの方法。あまり会えなくても友達を続けるコツなどを書く予定です。
あと記事中でも少し触れましたが、ポッドキャストのスタジオスモーキーでこの問題を語っています。
雑誌のプレジデントの2022年5月13日発売された号の取材です。まさに50〜60代のおじさんの居場所の作り方が語られてました。
20〜30代は少し先の自分の未来がわかるので、興味ある方はポッドキャストで。さらに興味出たらバックナンバーも読んでみてください。
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