台湾人なのに、日本語歌詞で歌うバンド。
ゲシュタルト乙女のファーストアルバムのリリース記念ライブがあったので、現地から報告します。
どうもこんにちは、台湾在住4年目のまえちゃん@Maechan0502です。
さて、実は今ひそかに台湾好きの日本人の間で注目されている、台湾の音楽シーン。
その中でも日本語歌詞で歌う台湾人バンド、ゲシュタルト乙女の1stアルバムリリース記念ライブがありました。
今回は2019年12月13日(台北)と15日(高雄)の二ヶ所で行われ、ぼくは15日の高雄に参加。
初めてライブに参加したのですが、これがとても良かったので、報告します。
ではどうぞ。
ゲシュタルト乙女の高雄ライブレポート
今回のライブの開演は18時半。
ただゲシュタルト乙女のライブですが、日本からアーティストを二組呼んでいました。
それが
・Utae
・o’share
です。
【o’share】
ぼくは少し遅れて入ったので、Utaeさんは見れなかったのですが、o’shareという3ピースバンドは見ることができました。
o’shareは椎名林檎のバンドでギターを弾いてる浮雲さん(長岡亮介さん)がやってるバンド、ペトロールズっぽくてカッコ良かったです。
そして肝心のゲシュタルト乙女のライブは開演から2時間後、20時25分ごろ始まりました。
『white(SE)』
ライブハウスの照明が落とされると、『white(SE)』という曲とともにゲシュタルト乙女のメンバーが入場。
この曲は今回発売されたアルバム『視力検査』の一曲目です。
バンドメンバーは静かに入ってきて、楽器を手に取り、スッと演奏を始めました。
そこでぼくは初めて動くゲシュタルト乙女を見ましたが、パッと見て、「みんな、お人形みたい」だと感じました。
メンバーを写真でしか見たことなかったのですが、ボーカルのMikanさんは綺麗な西洋人形といった佇(たたず)まい。
ベースのユウユウ(Yu)さんは、伸びた黒髪が日本人形のよう。どことなく栗山千明を思い出しました。
そしてギターのカイアキ(Kaiaki)さんは、丸っこくて中国のコメディー映画俳優を連想します。
ドラムの方はちょっと見えなかったのですが、パッと見た印象はそんな感じです。
ボーカルとベースの二人は写真よりも綺麗だな。
ギターの人は写真よりも丸い……。
と思いました。
しかし最初のぼくが見た印象は、曲が進んでいくうちに、どんどんいい意味で裏切られていきます。
『心狩り』
1曲目が『心狩り』。2曲目は『心売り』、3曲目は『Fog』という曲です。
どれも静かな曲で、ボーカルのミカンさんは鋭い目つきで、客席を見ながら歌っているのが印象的でした。
ここまでは静かな曲が3曲続き、うち2曲目と3曲目が新曲だったので、観客も静かにノッて拍手をしています。
曲の終わりでは、ボーカルのミカンさんが「ありがとう」や「謝謝(シェシェ)」を交互に言い、日本のバンドが台湾でライブしてしているのか?と一瞬勘違いするほどです(笑)
でも静かなバンドの雰囲気があったのはここまで。
ここからアップテンポの曲が2曲続き、ガラッと会場の雰囲気をゲシュタルト乙女は変えていきます。
4曲目は『生まれ変わったら』です。
この曲で、今まで静かに演奏していた場の空気は、ガラッと変わりました。
今まで観客側が静かだったのは、今まで演奏していた曲がアルバムからの新曲で、落ち着いたせいもあるんでしょう。
疾走感あるこの曲のイントロが演奏されると、一気に盛り上がります。
すでにシングルでリリースされてて、ライブでも歌い慣れてる曲のおかげで、盛り上がりました。
またぼくの隣から日本語で口ずさんでいるのが聞こえたので、振り向くと……。
なんと台湾人のお客さんが歌っています!
これにはだいぶビックリしました。
『EEヨ』
5曲目はEEヨ』。アップテンポの曲が続きます。
『EEヨ』は今回のアルバムから先行リリースされたシングルなんですが、こちらも盛り上がりました。
この時にボーカルのミカンさんが、曲の途中で初めて笑顔を見せます。
最初の数曲は、客席を射抜くような鋭い目をしていたのに、はにかむような笑っていました。
この途中で見せた笑顔のギャップに、ぼくはやられました。
アップテンポの曲が終わると、ここからしっとりとした曲が続きます。
6曲目が『Gestalt』
7曲目が『I Script』
新しいアルバムでも、ぼくが特に気に入っている2曲です。
特に『I Script』は浮遊感のあるギターイントロで始まり、ボーカルのミカンさんが囁(ささやく)くように歌い出す曲です。
でも曲の歌詞を聴くと、うまくいかない人生や対人関係を歌いつつも、芯のある価値観が日本語歌詞の中にちらりと見えます。
これは個人的に一番聴きたい曲だったので、すごく満足しました。
8曲目が『Dream Holic』
9曲目が『人生ゲーム』
待ちに待っていたライブもあっという間。
『Dream Holic』と『人生ゲーム』で終わりです。
すでにEP(シングル盤より長く、アルバムよりも短い曲数を入れたもの)の『タイムトラベル』で出ていたので、また会場が盛り上がりました。
ゲシュタルト乙女の4人は惜しまれつつも退場し、会場は自然とアンコールが湧きあがります。
そしてアンコールは『Time Travel』
ドラムの人が最初に入ってきて叩き、後からギターとベースが同時に音を鳴らすと、観客が盛り上がりました。
そしてボーカルのミカンさんが
「最後の曲はアルバムに入ってないタイムトラベル。一緒に盛り上がっていきましょう!」
と日本語で呼びかけ、歓声が上がります。
最後まで「このバンドは本当に台湾の台南出身のバンドなのかな?」とぼくはニヤケながら思ってしまいました。
【最後に3組のアーティストとバンドで挨拶】
そして、最後の「ラララ〜」を観客に歌わせて盛り上げつつ、大盛況でライブは終わりました。
ゲシュタルト乙女のセットリスト
SE『white』
1曲目『心狩り』
2曲目『心売り』
3曲目『Fog』
4曲目『生まれ変わったら』
5曲目『EEヨ』
6曲目『Gestalt』
7曲目『I Script』
8曲目『Dream Holic』
9曲目『人生ゲーム』
〜〜〜
アンコール『Time Travel』
終わったらグッズ販売とサイン会
最後に終わったら、グッズの販売会とサイン会がありました。
これはバンドのCDやポスター、トートバッグを買うと、メンバー全員からサインがもらえる仕組みです。
ぼくは初めての台湾のライブだったから、これが台湾のライブで恒例なのかはわかりません。
でも音楽がストリーミングで聴けて、実際のライブも自由に撮影できるので、こうやってメンバーと触れ合える機会が嬉しいと感じました。
ちょっとでも話せるのは楽しいのではないでしょうか?
台湾人の他のお客さんもグッズを買って、一緒にライブをやった2組の日本人アーティストと記念撮影していました。
最後に ライブを見た感想
【ゲシュタルト乙女ギターのカイアキ(Kaiaki)さん】
というわけで、今回のゲシュタルト乙女のライブのレポートは以上です。
今回のライブでここまで見ていて発見だったのが、ギターのカイアキ(Kaiaki)さんの腕です。
ゲシュタルト乙女は女性3人、男性1人というメンバー構成です。
一見するとガールズバンドなのに、男性が紛れ込んでいるのは、おかしいと感じるかもしれません。
しかしギターのカイアキ(Kaiaki)さんがテレキャスターで奏でる繊細な高音こそ、ゲシュタルト乙女の乙女っぽさだと見てて感じました。
ベースのユウユウさんは太いベース音を鳴らし、ボーカルギターのミカンさんはジャズマスターというジャカジャカと鳴るギターを使っています。
この組み合わせだと、激しい音楽になりそうです。
でもギターのカイアキ(Kaiaki)さんの歌うような繊細なギターの音が、ゲシュタルト乙女に女性らしさを与えていました。
実際に見てみると、ボーカルのミカンさんの日本語歌詞と同じくらいバンドを支えていて、実際に見て感動しました。
あとは台湾人が普通に日本語で歌い、中国語と日本語を混ぜてMCをしてて、ぼくは台湾でとても不思議な体験ができました。
楽曲自体も、ギターで奏でられるメロディーがぐっと心を鷲掴みされます。
おまけに日本語で歌っているので、歌詞がダイレクトに耳に飛び込んで、世界観にひたれるのがいいところです。
これからもっと人気が出るバンド(いや、でなければおかしい!)なので、ぜひ日本で聴いて、台湾でライブがあるときに見にくるのはどうでしょうか?
ぼくも追いかけ続けて、またライブレポートをあげます。
ではまた。
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