外国人の友達から「台湾の蒋介石についてどう思う?」と質問されたら、なんて答えますか?
こんにちは。日本で働いていた時は某大型中古書店の店長をやっていた大の書籍好きまえちゃん@Maechan0502です。
さてぼくは現在台湾に住んでいるんですが、最近台北のぼくの家にオーストラリアで出会ったドイツ人とフランス人と友達が泊まりにきてくれました。
そこで話してて気付いたのが、彼らが世界の現代史をちゃんと勉強していたことです。
たとえば遊びにきた台湾の現代史を知っていたし、歴史を頭に入れて台湾を観光しているから、日本人の友達より踏み込んで有名な観光地も眺めていました。
そしてぼくに最初の政治的な質問も投げかけてきたのですが、彼らを見ていてぼくは英語だけではなく、深く一歩踏み込んだ会話と見方をするために歴史を勉強する必要性を改めて感じました。
なので、今回はぼくが外国人の会話する中で「読んでおいて良かった!」と実感した本を5冊紹介します。
海外にいても電子書籍で買えるようにセレクトしたので、海外在住の方でも参考になれば嬉しいです。
ではいってみましょう。
半藤一利 『昭和史 1926〜1945』
まず海外に行く前に抑えておきたいのが、日本の昭和史です。ぼくらは中学、高校の日本史の時間に平安時代や江戸時代をきちんと勉強するくせに、肝心の昭和史はかなりすっとばして勉強してきました。
しかし今の日本とアメリカや中国との関係は、すべて昭和史が元に成り立っています。正確に言うなら昭和初期の外交政策、戦争が原因で成り立っているので、そこを勉強したほうがいいと思います。
ぼくもなぜ絶対勝てないとわかっていた第二次世界大戦に突入していくのを、どうして誰も止められなかったか?その理由をこの本を通じて学ぶことができました。
昭和史の専門家で作家の半藤一利さんが編集者に講義して、それを書き起こしというかたちでまとめているので、ぼくらも読みながら授業を受けてる気分になります。
半藤一利 『昭和史 戦後編 1945〜1989』
次も同じく半藤一利さんの著書で、今度は戦後史になります。戦後史などまさにぼくらが学校ですっ飛ばされた歴史なので、誰もが勉強する必要があるのではないでしょうか?
GHQ占領下での「天皇陛下の戦争責任」問題や戦後の処理で果たした役割、何より戦後に日本が選んだ道のりがわかりやすく解説されています。
特に今の日本は経済的に豊かな国ですが、それは戦後に4つの国の方向性の中から選び取った結果です。
陸海軍を持ち、戦前と同じ普通の国家としてやっていくのか?アメリカに国防を任せて経済的に豊かになることに集中するのか?ソ連などの共産主義国家の一員として参加するのか?それともアジアのスイスとしとして中立国を保つのか?
結果的に戦後の日本はアメリカに国防を任せ、経済的に豊かになることを選んだので、この政策が今の集団的自衛権の論争にもつながっているし、今の憲法が現在の日本に与えた影響と日本の立ち位置を外国人の説明する時に参考になります。
戦前の日本と戦後の日本の違いは歴史を学ばないと説明できないので、こちらも絶対に読んでおいて損はないです。
池上彰 『そうだったのか、現代史』
こちらはわかりやすい解説でお馴染みの池上彰さんが、第2次世界大戦後の現代史について解説してくれた本です。
ぼくは高校生の時にこの本を読んで、なぜ台湾人が親日なのかを知りました。
1945年に日本はポツダム宣言を受諾し、敗戦してから台湾から引き上げたのですが、その後に中国大陸からやってきた蒋介石率いる国民党が元からいた台湾人を虐げたからです。
日本統治時代より酷い中国から来た新しい政権を比べて、台湾人は相対的に日本がマシだったと感じたそうですが、ここで学んだ台湾の現代史は海外に出た時に台湾人の友達と仲良くなる時に役立ちました。
台湾人に「台湾って中国の一部なの?」とか「中国人じゃないの?」という質問をすると悲しい顔をしたり、時には怒られるので、その理由を知るためにも今の台湾を作った現代史は彼らを理解するためにも重要です。
もちろんここで語られてる、カンボジアのキリングフィールドや韓国と北朝鮮の成り立ち、ベルリンの壁崩壊による東西ドイツの統合など、他の国の現代史も海外でその国の人と出会った時や旅行した時に感じ方を変えてくれるはずです。
こちらも高校の授業を受けているようなわかりやすいしゃべり言葉でまとめてあり、2冊あるので必読です。
戸部良一 『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』
最後にオススメするのが、Amazonの戦略・戦術カテゴリーでNo.1の売れ行きを誇っている『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』です。こちらは東日本大震災以降、ビジネス書としても再注目を集めている本でもあります。
こちらの書籍は日本軍が大東亜戦争で失敗を繰り返した組織的欠陥をあぶっているのですが、読んでいると日本軍のことだけではなく、今の日本の会社組織にも通じるところがあるとわかります。
たとえば会議ですでに失敗するとデータではわかっているのに、精神論が場の空気を支配し、結局作戦実行をさせてしまうのは、今でもあることです。またアメリカ軍は合理的判断で休息をきちんと取らせていたのに、日本軍は精神論で乗り切らせようとしてたなど、旧日本軍が日本のブラック企業とぼくにはダブりました。
過去の失敗から学ばず、責任を曖昧にして、データではなく精神論で乗り切ろうとする。今の日本人も同じ失敗を繰り返しているのは、過去と共通する点です。
本当にぼくら日本人は平和を尊重するといって変わったように見せかけながら、組織的欠陥は過去とそっくりなので、現在と過去の違いを理解するのに役立ちます。
今回紹介した書籍の中では一番難しくて、読み進めるスピードが遅くなりますが、この本はビジネスの分野やほかの国と日本を比較する時にも参考になります。海外に出る人は一つの日本人論として読んでほしいです。
まとめ
さていかかでしたか?ぼくの2年間の海外を元に経験をお話しするなら、歴史を勉強しても海外で女性からモテません。歴史を語ってお互いの意見が割れて気まずい思いをするくらいなら、「綺麗なアナタと出会えて良かったよ」と言ったほうがいいです。ええ、実体験からぼくはそう思いました……。
しかしそれでもぼくは、歴史を学ぶことは英語を学ぶくらい重要だと感じています。なぜなら歴史を知っていると、同じ外国人の友達への質問が変わってくるからです。
エラそうに言いましたけど、正直に告白するなら、ぼくもフィリピンの英語留学で英語で外国人の友達と話し始めた時の会話のレベルは低かったです。自分の英語力のなさで、「あの台湾人が可愛い、いや新しく生徒で入ってきたタイ人のほうがいい」という中学生レベルの会話ばかりしていました。
でも2年間経つと、外国人の友達とも政治的な話もするようになったし、お互いの国の問題点についても話すようになってきました。
台湾での蒋介石を功績をたたえて建設された中正紀念堂。しかし台湾人の中には蒋介石の台湾での悪政を心良く思わない人もいる
たとえば台湾のぼくの家の近くの中正紀念堂に行って「ただデカい建物があると感じるのか?」、「一緒に行ったドイツ人の友達と戦後の台湾を支配した蒋介石について語れるのか?」それは歴史を学ぶことで違ってきます。
後者は自分に歴史の知識があってこそ、相手に質問を振れるし、逆にドイツ人の友達が「蒋介石」を話題に出してきたら反応できることです。
歴史の勉強をすることで、外国人の友達の新しい一面を発見できるし、会話の幅が広がって見方が変わりました。
ぼくの家で台湾の政治と歴史を熱く語っていた台湾人のレイくんとフランス人のヤン
時には英単語を5,000個学ぶより、歴史について学んだほうが会話の幅は広がると思いますし、英語はツールです。扱う自分自身がどういう知識を持って英語で質問できるのか?それが最近重要なんじゃないかと、ぼくは台湾で感じています。
いやー、本当に勉強に終わりはないですね!
これから海外に出る方は本当に日本と世界の近現代史は勉強して損はないので、今回紹介した本は読みやすいし、よかったら読んでみてください。
ではまた。
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