完璧なものだけをほしがっていった始末に、完璧じゃない人を遠ざけている、現代のぼくら日本人



どうやら今日本ではコンビニの冷凍庫にコンビニのバイトが寝転がって、その写真をTwitterに投稿したことが問題になって炎上どころか、新聞のニュースにもなったらしい。

 
いやー、とんでもないニュースだ。
 
どこが?もちろん寝っ転がることもそうなんだけど、拡散系のSNS(TwitterとかFacebookなど)で赤の他人に見つかって、それが想像もつかないレベルの謝罪事件になっているところが20代後半の若者のぼくとしては問題だと思う。
 
たしかにぼくも店員が寝っ転がったアイスを食べたいと思わないし、そういうのはなくすべきだと思う。しかしそうやって新聞に載るくらい社会問題にまで発展した事件(いたずらが事件になってる!)は、コンビニ本部からそこがフランチャイズ権を剥奪されることも検討されているらしい。
 
大人(店長)が叱れば済むことが、今ではその叱る大人(店長)の立場すら危うくなっている。その店長の収入まで激減しかねないんじゃ、そのいたずらをした若者へ叱ることがただの怒りへと変わり、教え諭すことができないだろう。
 
 
海外に出てもう3ヶ月を過ぎたけれど、こっちにきて日本のニュースを見る回数が激減した。
 
Yahooニュースも読まないし、Smart Newsというアプリを入れているけど、8件くらいのトップニュースを眺めるだけで、別に特に気にしていない。
 
参院選くらいはチラッと注目していたけど、それ以外はGunosyというサービスで自分の興味あるニュースを読むくらいだ。
 
日本にいると自分の興味ないニュースに心を騒ぎ立てられることが多い。コンビニに行けば週刊誌も読めるし、マンガも読める。ファッション誌だって、ビジネス雑誌だって読める。
 
電車に乗れば中吊り広告からは刺激的な「安倍政権崩壊で予想される日本亡国の危機シミュレーション!?」とか「殺人ユッケを出した社長の闇の十代!!」といったあおり文句が踊る。
 
これは今ぼくが即興で作ったものだけど、中吊り広告のあおり文句としてはそんな外してはいないだろう。
 
だからこそ日本に住んでいる人たちに聞いてみたいことがある。
 
 
あのー、そんな自分の関係ないニュースに気を取られるより、もっと自分の明日のやりたいこととかを気にした方が良くないですか?
 
 
もちろん繰り返すけど、冷凍庫に店員が寝っ転がったアイスをぼくは食べたいと思わない。それは改善してほしい。ただぼくの見えないところでいいから、ひっそりと叱ってほしい。
 
そのあとに何も知らずにぼくがそのアイスを買ってしまったら、それはそれでいい。だけどそれよりその店長がフランチャイズ権を剥奪されて、その店員と店長が取り返しのつかない失敗にすり替わることに比べれば全然いいと思ってる。
 
「オマエのせいでおれがこのコンビニで店長として休日返上で働いてきたのが水の泡だ!どうしてくれるんだ?!」
 
店長がもしその若者にこんな言葉を投げたら、どう返せばいいんだろうか?
 
その若者を
 
「ちょっとバカやったつもりかもしれないけど、それは二度とやってはいけないことだ。でもおれも昔やったことがあるから気をつけなさい」
 
という言葉で包んでくれる余裕が、今の日本にはたりないとおもう。
 
 
ぼくの心をえぐられた歌に、高橋優さんというシンガーソングライターが歌う『素晴らしき日常』という曲がある。
 

「別にいじめたくていじめていたわけじゃないけど、 やらなきゃ今度は僕がやられる気がしたんだ」と 泣きながら語る少年に全てを擦り付け、あげ足とりたがりのチャンネルが正義を語る 
 
きっと僕らに悪意があるわけじゃないと思う どうしたらいいのか分かんないだけ 模索しながら傷付いて傷付ける 
 
麗しき国に生まれ育ってしまったために どれもこれもあって当たり前の日々を生きて 完璧なものだけを欲しがっていった始末に 完璧じゃない人間を遠ざける人々
 
中略
 
まだ步くことはできるかい? 転んでも起き上がれるかい?そこから覗いてる景色は天国でも地獄でもない先進途上国
 
 失望することばかりでも 目を見張る価値があるもの その通じ合っているような気がする目の前の人を 愛して ただ愛して 支え合ってゆけるなら きっとまだ間に合うよ
 
by 高橋優 『素晴らしき日常』
 
 
ぼくらは日本という国に生まれたから、どれも恵まれて当たり前の気がする。だけどこの歌のように「完璧なものだけをほしがっていった始末に、完璧じゃない人間を遠ざける人々」
 
という歌詞は、本当にこの今の日本をえぐっている。そんなぼくらは完璧だろうか?たしかにiPhoneとかiPadはフリーターですら買えるけど、いまだに人の優しさとか心の余裕のなさがたりない。
 
そしてそのぼくらの心の優しさや余裕は、いつだって途上国だと思うことが大事なんだと思う。完璧だと思った瞬間にこうやってあらゆる完璧じゃない人を叩き出すから。
 
もう少しみんなバカを認める心の余裕を持てば、もう少し日本はいい国なるんじゃないかといい加減な人々に出会ったこの東南アジア旅行でそう感じた。
 
だっていつだって僕らはバカをやってきたんだから、ちょっとぐらいの過ちくらい許してやろうよ。