残念だけど台湾人は親日ではなく、もう韓国好き…。台湾人と7年関わってるぼくが、リアルな台湾を振り返ってみた

Japan korea

残念ながら台湾人が親日というのは、日本のメディアが作り出した幻想かもしれません。

どうもこんにちは、台湾在住4年目のまえちゃん@Maechan0502です。

さて、ぼくは先日ツイッターでこんなツイートをしました。

台湾人は親日ではなく、韓国のほうが好き?

そうは信じたくない人もいるかもしれません。

でも「いまの台湾人は日本文化よりも韓国文化に親しんでいる」ので、必ずしも日本文化だけが好きなワケではないのです。

また日本人が「台湾人は〇〇だから親日」と表現するときも、台湾経験が浅いから誤解している部分があると感じます。ええ、過去のぼくのように。

この記事で

・台湾人が日本人に優しいから親日なワケではない

・台湾人は日本文化の〇〇が好きだから親日なワケではない

・台湾人が親日だと言ってもおかしくないのは80歳以上の台湾人くらい

・それでも、なぜ日本のメディアや識者は台湾人は親日と言ってしまうのか<?/span>

という4つをぼくの体感で書いてみました。

個人的な体験に基づいた考察なので独断になりますが、日本と台湾の関係を考えられればと思います。

ではどうぞ。

目次

日本人に向けられる台湾人の優しさや親切心は、他の国の人も向けられている

Nicky friends 01

まずは台湾人の優しさや親切心を親日的だと表現することを考えてみます。

よく台湾を旅行した人が、「台湾人は道で迷ったら親切だった」、「日本語で話しかけてくれた」、など言いますが、一般の台湾人はそんなに親日なのでしょうか?

ぼくは台湾人と関わって7年間ほど経ちますが、結論から言うとこのくらいの印象で台湾人は親日というのは、ちょっと言い過ぎだと思います。

たしかにぼくも台湾の食堂で台湾人と相席したら話しかけてくれたり、タクシーの運転手が日本語の曲をかけてくれたり、物をなくしたら親身になって探してくれたりしました。

ぼくも最初はこれで「台湾人は親日だ!」と思っていたのですが、長年観察していると気づくのです。

「台湾人、このくらいのことなら、他の国の人にもやっているぞ」と。

細かい例を挙げるとキリがありませんが、たとえば台湾観光局が作ったビデオを例にとってみましょう。

かつて桃園空港から台北駅に行くバスの中で流れていたのですが、こんな感じです。


台湾に着いた白人バックパッカーが、台湾の田舎町を旅行。

中国語が分からないけど、みんな親切にしてくれる。

そして最後に「台湾人は暖かい心を持っているので、ぜひ旅してください」的なメッセージ。

ちょっとぼくが見たものと違うのですが、イメージの近いビデオはこんな感じです。

そう、ぼくら日本人が台湾を旅して「親日」感じる台湾人の優しさや親切心は、観光局が全世界に向けて直々に宣伝するほど、台湾人らしい特徴なのです。

ぼくも誤解をしていたのですが、このくらいの台湾人の優しさや親切心を親日というのは、ちょっと言い過ぎだと感じます。

台湾人は日本文化が好きだから、親日ではない。むしろ今は韓国文化のほうが好き

Vincy Lizzie yokohama

続いて「台湾人は日本文化が好きだから、親日説」を考えてみましょう。

結論から言うと、これも言い過ぎです。

親日というと日本を特別視してる印象があります。

しかし台湾人は日本と同じくらい……、いやそれ以上に韓国文化やアメリカ文化が好きです。

たしかに台湾には、20年前の2000年ごろ、哈日族(ハーリーズ)という新語ができました。

哈日族(ハーリーズ)とは、日本語を話して日本人になりたいと思うほど、日本が好きな台湾人たちです。

しかし2013年ごろ、ぼくが台湾人の友達にこの話題を出すと、こう言われたのです。

「知ってる?今は哈韓族(ハーハンズ)や哈美族(ハーメイズ)とか、韓国やアメリカ好きな台湾人の呼び方もあるんだよ」と。

そう、台湾人が日本が好きでたまらなかったのは、おそらく90〜00年代がピーク。

現に90年代の台湾を舞台にした台湾青春映画、『あの頃、君を追いかけた』『私の少女時代』には、日本の話題がたくさん出てきます。

【台湾映画『あの頃、きみを追いかけた』でドラゴンボールの天下一武道会に影響を受けて、喧嘩するシーン】

『あの頃、君を追いかけた』の男の主人公は、高校で『スラムダンク』の作者死亡説を話題にしたり、大学で『ドラゴンボール』を読んで格闘大会を開いたりしました。

『私の少女時代』の高校生ヒロインは、日本のファッション雑誌を買ってきて、必死に日本メイクを勉強してイメチェンをはかるシーンができます。

しかし2019年現在の台湾では、韓国ドラマやK-POPアイドルが話題の中心……。

街なかにも韓国ファッションのお店があるくらいです。(ぼくの住んでる第4都市の台南にまであって、びっくりしました)

つまり、いまの台湾人における日本の立場を例えると、日本人にとってのフランスやイタリアみたいなものです。

かつて日本人にフランスは花の都パリとして憧れられたり、バブル期の日本ではイタリアンレストラン(イタ飯)が流行っていました。

しかし現在の日本人の中では、フランスやイタリアはいい国、素敵な国の一つに過ぎません。

それより、アメリカのシリコンバレーやニューヨークに憧れる日本人のほうが多いでしょう。

日本は一番すごい国ではないけど、未だに印象のいい国の一つ。それが台湾人が考える日本の立ち位置だと感じます。

台湾でいちばん親日といえる感情があったのは、台湾の日本語世代

Taiwan nihongo sedai

【日本語世代の台湾人おじいさん。御年90歳】

ここまでぼくは、台湾人の親日誤解説を書いてきました。

しかし台湾人の人口の中でも、親日だと言ってもいい層がいます。

それが現在80歳以上の、かつて日本の植民地教育を受けた世代です。

この世代の方々は、当時の大日本帝国の教育を受けてるので、ぼくらと同じように日本語を話して、日本の文化にも詳しいです。

いや、天皇陛下の名前も初代の神武天皇から昭和天皇まで全て言えるので、ぼくらよりも詳しいと言えるでしょう。

この世代は本土の日本人より低い二等国民として扱われ、日本の戦争で苦労してきました。

それが戦後、中国本土から自分たちと同じ漢民族がやってきて歓迎していたら、もっとひどい弾圧されて、大変な苦労をされた世代です。

「犬が去って、豚が来る」

うるさい犬の日本人が去って安心したと思ったら、今度は中国から何もしない食うだけの豚が来た。

それならまだ、うるさい日本人のほうが番犬として役に立った。

という意味ですが、日本への深い思い入れをこの世代の方々は持っています。

ただ、この世代を親日と言い切ってしまうのも、語弊があるかもしれません。

なぜならこの世代は、実の父だと思ってた父親(日本)に途中で捨てられ、義父(中華民国)に辛く育てられたようものだからです。

そのような思い出を持つ人たちを、果たしてぼくら日本人が「親日」の二語で表現していいのか?

ぼくは直接話を聞いて、複雑な想いを持ってしまいます。

しかし日本へ特別な思いを持っているこの日本語世代(現在の80歳以上)は、親日という言葉が台湾で当てはめてもいいかもしれません。

この世代に初めて日本本土の地を踏んだ時の感想を聞くと、「……やっぱり。……嬉しかったねぇ。」としみじみ語ってくれるほどなのですから。

問題は、この親日だと表現している台湾の世代が高齢で少なくなり、静かに台湾の舞台から退場していることです。

まとめ 戦後70年、ぼくらは書籍に載っていない台湾と向き合う時代にいる

Tainan anping myhouse 0008

【日本語で出版された台湾関係の書籍】

この現状を踏まえ、ぼくが日本のメディアや識者(池上彰さんや小林よしのりさんなど)が台湾を親日と解説することについて、少し書いてみます。

日本のメディアや識者が「親日」と表現する違和感は、台湾の戦後1945年から1994年くらいの歴史とイメージで話すからです。

それと日本語世代が書いた書籍が、日本に多く出回ってるせいもあります。

特に台湾の民主化を進めた、李登輝元総統(戦前に日本語教育を受けた日本語世代)の本は代表的です。

日本に出回る台湾関連の書籍にバイアス(かたより)がかかってるのは、この世代の本がたくさん出回っているからでしょう。

日本語世代の本は、いろいろな意味で便利です。

台湾人なのに日本語ネイティブなので、日本語で話し、日本語で原稿を書いてくれます。日本の出版社も翻訳しなくていいので楽です。

また台湾の過去の最高権力者が書いた本なので、説得力もあります。

だから日本の識者(テレビに出る有名人)も読んで、「台湾人は親日だ!」という説が出回るのです。

しかしぼくらが今の20代、30代の台湾人と話していると、書籍のなかの親日台湾は過去の話。

日本より韓国やアメリカ文化のほうが好きだし、台湾で日本のことが話題になるのはラーメン屋が寿司屋ができた時ばかりです。

Tokyo sky tree

日本は、台湾人がいいイメージを持つ国のひとつになってしまいました。

ただ、ぼくは日本が終わっているとか、韓国素晴らしいと言いたいわけではありません。

また冷静に自分たちの国の強みや弱み、世界の中の立ち位置を把握してこそ、次の新しい日本人として世界で生きていけるんじゃないでしょうかか?

それと今まで日本と台湾の関係は、一方的過ぎだったと感じます。

コミュニケーションの基本は、お互いをよく知り合うことです。

「日本人はすごい」と一方的に好かれているなんて妄想を捨て、日本人も台湾を知ることができれば、もっと日本と台湾の関係は良くなるのではないでしょうか?

ぼくもまだまだ知らないことだらけなので、学びたいです。

日台関係が、もっと良くなることを願って。

ではまた。

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この記事を書いた人

職業HP制作業者、ライター、ブロガー。北海道札幌市在住。ブロガーやライターとして培ってきた取材インタビュー能力を活かし、お客様に自分達の商品・サービスが伝わるHP制作業を営んでいます。

過去に1年間のオーストラリアワーホリ、4年間の台湾在住、コロナ禍で帰国。神奈川県横浜市から北海道札幌市に移住し、暮らしています。

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