カンボジア・コーケー遺跡群のピラミッド前で
台湾人の友達とパーティーにて
With my room mate and best Taiwanese friend in Ayara mall in Cebu
むかし十代の頃、母親から聞いた話で、今もふと思い出す話がある。
それは母親のバトミントン仲間のの息子さんの話なんだけれど、その人はぼくと同じ高校を卒業して、海外放浪の旅に出たらしい。
その時に撮った外国人の友達に囲まれている息子の写真を見て、そのお母さんはこう言ったそうだ。
「日本じゃ見たことない一番いい笑顔をしてたのよ」って。
その言葉がやけにずっと心の隅に残っていて、なんで海外だと日本にいる時以上に幸せになれるんだろう?って時々ぼくはぼんやりと思い返したりした。
そしてその言葉の意味を突き詰めなかったため、ぼくは二十代前半から中盤のキャリア形成をうろちょろとさまようことになる。
正社員もやってみれば、安定を求めて公務員試験も受けてみたりした。
でもぼくがやっと気づいたのは、まわりから「この不況下、正社員で就職できて良かったね」といくら認められようが、自分の満足感とはまったく関係がないということだ。
「ここで働いていて本当に自分は悔いが残らないんだろうか?」
と自分が疑ってしまうなら、それは何かを変える必要があるんだと思う。
ぼくにとって安定した給料だけも、年にたった5日間しか連続休暇がもらえないぼくがいた会社の正社員待遇は、全然自分の描きたい自分とはかけ離れていた。
「なんで変わらない職場で毎日、本を並べているんだろう?」
「5日間しか休みが取れないんじゃ、全然海外にいけないじゃないか」
本当にぼくがやりたかったのは、海外に住んで、他の国の言語を学び、そしてそれを使って生活したかったことなのに。
ただ会社に文句をいうつもりはない。それは何も考えずに就職した22歳のぼくのせいだろう。
だからぼくがあの時就活よりもやらなきゃいけなかったのは、他の人がやっていなかろうと、英語をしゃべって海外に住みたかったら徹底的にその方法を探すべきだったのだ。
そう、自分が心の底から笑うために。
今だからわかる。きっとその話のお兄ちゃんが海外で眩しいくらいの笑顔をしていたのは、本当に自分のやりたいことをやっていたからなんだろう。

この記事を書いてる最中に妹からこんなLINEのメッセージを貰った。
どうやらぼくの選んだこのフィリピン英語留学という選択肢は、家族からみてもだいぶ良いものに映ったようだ。
次はアタシみたいに自立してほしいとさりげなくリクエストされてるのが耳の痛いところだけれど、海外で英語を使いながら仕事ができるようになる。
それが次のオーストラリアでの目標だ。

仲の良い学校の先生たちと でもこの先生たちとの授業は一つもなかったので友達と言った方がいいかもしれない

卒業当日 台湾人の友達 A Fuと彼の先生と
ぼくは日本を出る前にいろいろと海外で英語を覚えて、今後将来どう活かすのかぼくの人生計画を聞かれた。
あの時は説明できなかったけれど、確実にこの海外留学を選んで良かった結果がここに載せた写真の笑顔なんだと思う。
一年半前、友達や家族、いとこのおばちゃんなどにいくら海外でフィリピン英語留学とオーストラリアでワーホリをしたいと説明しても全然わかってもらえなかった。
もちろん反論としてくる英語を使ってどう仕事をしたいのか?とか、これから国民年金や奨学金も払わなきゃいけないし、正社員にならないことで様々なめんどくさい手続きを自分でしなければいけないという意見も、わかるを通り越してとても!とても!とても!耳が痛かった意見だ。
そして海外に行きたいと言い出したぼくにしても、自分でそのフィリピン英語留学やワーホリが終わったら、何が自分に得られるかなんて全然予想がつかなかった。
TOEIC900点がとれる?海外に友達ができる?運が良ければそこで就職?
こっちも確信が持てないことを聞かれて、相手を満足させる説明ができたら、ぼくは大嘘つきのペテン師だろう。
実際にやっとフィリピン英語留学が終わってみて、ぼくは日常英会話には困らなくなったし、ぼくと同じような海外での生活をしようとする日本人の友達や、たくさんの外国人の友達ができた。その数100人以上。
でもその結果とわかりやすいカタチで数字して出すと納得してもらえるんだろうけど、本当にぼくが大事だと思ったのはそこじゃない。
ぼくがフィリピンで撮ってFacebookに上げた写真を見て「すごいいい笑顔してるね」とコメントしてもらったことがあるけれど、そっちの言葉の方がぼくは嬉しい。
なぜならそう人の目に映るということは、ぼくが今自分らしく毎日を送っていると思うからだ。

韓国人の友達たちと
一年半前、海外に行くと言って「日本で正社員をやるんじゃダメなのか?」と近い友達や親戚に言われたけど、それを続けていたらぼくは「いい顔で笑ってるね」なんて言ってもらえなかっただろう。
正社員+安定した月々の給与+煩雑な税金手続きの免除+会社に雇われて得られる社会的信用〜
日本の会社でキャリアを外さずに生活するメリットは、ぼくが数えるまでもなく数あまたある。でも「それを全部たしてもぼくはこんな風に笑えたか?」と振り返るとちょっと無理だった。
地味な安定の積み重ねは遠い将来まで心配しなくていい暮らしを与えてくれるんだろうけど、それをいまでもうやってたら30歳になった時にもっと後悔するだろう。
中学時代の同級生に「ワーホリに行く」といったら「人生迷走してるね」と笑われたけど、自分のやりたい英語留学をやってこんな笑顔になれたぼくは、絶対正社員でしんどい顔をして仕事をしていたときより幸せだ。
リリー・フランキーさんが「人間、自分の決めたことをやるだけで、それは一つの幸せだよ」と前に週刊プレイボーイの人生相談のコーナーで言っていたけど、今本当にその通りだと思う。
正社員がいいとか悪いとかじゃなくて、自分のやりたいことがもし世間一般の人が歩むコースから外れていても、自分が本当にやりたいと思ったことをやる勇気とアクションが絶対に大事なんだと、ぼくはこの三ヶ月半で信じられるようになった。
これからいかにら自立していくか、もう一度仕事について考えなくてはいけないけど、それをしながらもマエハラってこっちがうらやましくなるような笑顔で毎日を送っているなと言われるような日々を重ねていきたい。
さてそろそろ飛行機の時間だ。ぼくも日本に帰ろう。
Thank you, my precious experience in Philippines.
2013年8月19日 シンガポールのチャンギ空港にて。
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