あなたは台湾に肉類を持ち込んだら、いきなり罰金70万円支払う恐れがあるのを知ってましたか?
どうもこんにちは、台湾在住4年目のまえちゃん@Maechan0502です。
さて、楽しい台湾旅行。荷物をパッキングして、日本からお菓子やお弁当も入れたりして、台湾に出発!
と考えているかもしれませんが、ちょっと待ってぇーーー!!!
あなたの台湾旅行の荷物、肉や肉製品が入ってませんか?
いま台湾に肉製品を海外から持ち込むと、70万円の罰金を取られる可能性があるんです。
日本人は信じられないかもしれませんが、先日ぼくがこんなツイートしたところ、反響がありました。
現在、台湾の政府は肉を持ち込まれることに非常に敏感になってます
家畜に病気が広がるので、生肉を始め、カップ麺のかやくなど加工食品も持ち込むと罰金取られます
で、見つかると約70万円の罰金取られるんですが、つい最近知り合いの日本人がやって70万円払ったそうです
くれぐれもお気をつけを? pic.twitter.com/UW1XlcFfgi
— まえちゃん @台湾トラベルブロガー (@Maechan0502) August 8, 2019
というわけで、今回は他人事ではないこの問題について解説します。
では行ってみましょう。
台湾に肉の持ちこんで多額の罰金ルールは、アフリカ豚コレラが原因
さて、台湾に肉を持ち込むと、罰金3万〜350万円(約1万〜100万台湾ドル)というルールは、アフリカ豚コレラという家畜に感染するウィルスが原因です。
2018年10月31日に、台湾の金門島で発見されたアフリカ豚コレラのウィルス。
アフリカ豚コレラは人には感染しませんが、ワクチンがないので、豚やイノシシに甚大な被害を及ぼします。
感染した豚は、殺処分するしか方法がないからです。
なので、台湾の畜産産業に重大な影響を及ぼすため、台湾の政府(中華民国政府)はアフリカ豚コレラを目の敵にしています。
2018年は最高15,000台湾ドル(5万2,500円)だった罰金が、今は最高1,000,000台湾ドル(350万円)になってしまいました。
もはや「そこまでやる?!」ってレベルです。
しかし最近ぼくの知り合いの人がベトナムから知らずに肉を持ち込み、罰金70万円取られたので、笑えないレベルになってしまいました。
なので、ここから調べられた範囲での詳細を書きます。
台湾にどんな肉類を持ち込んではいけないのか?
台湾に持ち込んではいけないものを、台湾の防檢局が載せていたので、引用してみます。
・肉類(生肉、調理済み、冷凍、冷蔵、乾燥を含む)
・未調理の卵(卵製品)
・食肉加工食品(真空包装のものを含む)
具体例:
肉そぼろの卵巻き、ホットドッグ、ソーセージ、ハム、月餅、肉粿(ミートチョップ)、臘肉(ベーコン)、干し肉、肉ちまき、肉燕(福州ワンタン)皮、アヒルの胃、手羽先、鶏の足など。
・ツバメの巣(血液、羽、大便とその他のの汚れ物が入り混じったもの
引用:中華民国(台湾)入国の際の動植物に関する検疫規定及び罰則
基本的にこれです。
【真空包装 Wikipedia】
【真空包装 Google 画像検索】
真空包装がわかりにくかったので、検索で調べたらこんな感じでした。
【高雄空港】
あと食肉加工食品は台湾の高雄空港を訪れた時、展示されていた加工食品のパッケージがわかりやすかったです。
見てみると、ほぼあらゆるものが禁止されています。
【沖縄アグーせんべい 幻の黒豚】
上のような豚味のせんべいまで禁止されているので、油断してはなりません。
いやー、おそろしや。
台湾に持ち込んで許される肉類
持ち込んでも許される台湾の肉製品は以下の通りです。
・缶詰
・レトルトパウチ食品
台湾の業委員會動植物防疫檢疫局は以下のように説明しています。
農業委員會動植物防疫檢疫局は、「持ち込めるのは缶詰のみ。ほかは一切持ち込むことができない」と指摘する。
缶詰の範囲には、例えば即席めんに入っている具材のパックなど、レトルトパウチも含まれる。
ペットフードの缶詰の場合、牛肉成分が入っているものは持ち込むことができない。
缶詰の持ち込み可能なのは、高温高圧で滅菌処理をしており、冷蔵・冷凍する必要がなく、常温保存ができるため。
この段階で、感染症のウイルスは死滅している。
一方、真空パックは空気を抽出しただけで、冷凍・冷蔵保存の必要がある。
このため、アフリカ豚コレラウイルスが生き続けている可能性があり、台湾への持ち込みが禁止されている。
引用:アフリカ豚コレラ発生地域からの肉製品持ち込みに厳しい罰則
つまり缶詰やレトルトパウチは高温殺菌処理されているので、豚コレラ発生の危険性がありません。
だから許されています。
【缶詰】
【レトルトパウチ Wikipedia】
【レトルトパウチ 食品 画像検索】
こんな感じのものが許されています。
カップラーメンのかやくは持ち込みが許されているのか?
これもいろいろ調べてみたんですが、結論から言うと、日本で販売されているカップラーメンはだいたいアウトです!
台湾で持ち込みが許されているのは、レトルトパウチです。
【台湾のカップラーメン アリなタイプ】
つまり上の写真のような袋に入っていた場合、高温殺菌処理されているので、アフリカ豚コレラの発生は防げるのでオーケーなんですね。
【日清カップヌードル ダメなタイプ】
でも日本で売られているカップラーメンの具材はだいたいこんな感じです。
ええ、ぼくら日本人が小さい頃から食べていたカップラーメンのチャーシューは違う製法で作られています。
真空凍結乾燥
マイナス30℃で急速に凍結後、そのまま真空にして乾燥させます。
栄養価の損失が少なく、水やお湯での復元性に優れたかやくができます。
たんぱく質を多く含んだ素材や香味野菜の乾燥に採用されます。
引用:かやくの製造方法
真空凍結製法の場合、熱処理されていないのでアフリカ豚コレラのウィルスを死滅させることができません。
これも台湾に持ち込んで見つかったら罰金を取られます。
日本を出る前に空港で買って、台湾に持ち込まないように注意しましょう。
台湾に肉類を持ち込んだ場合、どうなるのか?
台湾に肉類を間違って持ってきてしまった場合、どうなるのでしょうか?
これは渡航してきた国によって、課される罰金が違ってきます。
・過去3年以内にアフリカ豚コレラ発生国から持ち込んだ場合
・過去3年以内にアフリカ豚コレラが発症してない国から持ち込んだ場合
という2パターンに分かれるので、紹介します。
過去3年以内にアフリカ豚コレラ発生国から持ち込んだ場合
過去3年以内にアフリカ豚コレラ発生国から持ち込んだ場合、いきなり約70万円(20万台湾ドル)の罰金を取られます。
もう初犯からアウトだそうです。
対象国は以下の通りになります。
中国、香港、マカオ、モンゴル、ベトナム、カンボジア、ラオス、ベルギー、ハンガリー、ポーランド、ブルガリア、チェコ、ラトビア、セネガル、ロシア、ウクライナなどなど。
2019年に入って、ベトナムでもアフリカ豚コレラが発生したので、ベトナムから台湾に来る人は要注意です。
台湾人のばっと butさんからこんなツイートで教えてもらいました。
初犯の場合、アフリカ豚コレラ地域から来る便(中国、香港、モンゴル、ベトナム、カンボジア、ラオス、東ヨーロッパ…)なら問答無用で罰金20万元。それ以外の便なら3万元。搭乗便で判断するのです(乗り継ぎも含め)。
— ばっと but (@buttaiwan) August 9, 2019
ありがとうございます。
過去3年以内にアフリカ豚コレラが発症してない国から持ち込んだ場合
過去3年以内にアフリカ豚コレラが発症してない国から肉類を持ち込んだ場合、約3.5万〜10万円(1万〜3万台湾ドル)の罰金(量による)が課せられます。
こちらは日本も含まれます。
日本では家畜へのアフリカ豚コレラの感染がまだ見つかっていないので、比較少額の罰金で済んでいます。
と言っても台湾に入国するときに、「3.5〜10万円の罰金払ってねー」と言われたら旅行する気も失せるので、要注意です。
ツイッターではDarkRacerSkullさんや、きよし@バンコクさんから生々しい体験談を聞いたので、引用させていただきます。
私の知り合いは、3か月前ぐらいに成田で買った弁当で一万元罰金払ったと聞きました高雄空港で。 量にもよるらしく10万元払わされたという話も聞きました。70万円は約20万元、上限かもしれませんね!
— DarkRacerSkull (@racer_skull) August 8, 2019
2ヶ月ほど前に、食べ残したソーセージの破片を持ち込んでしまって罰金1000USDの友達がいました。その場で現金を持ち合わせていなかったので後日振り込みをするということでまとまり入国できたそうですが、振込みの確認が取れなければ10年間入国禁止と伝えられたそうです?マジで注意
— きよし@バンコク (@kiyobkk) August 9, 2019
ありがとうございます。
台湾(中華民国)の政府が発表している罰金についての本文
第 45-1 條
旅客或服務於車、船、航空器人員未依第三十四條第二項規定申請檢疫者
,處新臺幣一萬元以上一百萬元以下罰鍰。
翻訳:
旅行客、もしくは車、船、航空機の仕事に従事している人員は、1〜100万元の罰金を科す。
(いまだに中国語が全然できていないので、だいぶ適当な翻訳になっています。間違えてたら訂正しますので、すみません。)
台湾の空港に着いた時の検査の流れ
最後に台湾の空港に着いたら、どういう手順で検査を受けるのか紹介します。
肉類を持っていても、どの時点で捨てれば大丈夫なのか?
どのレーンに並べば、持っても罰金を取られないのか?
と言う部分を写真付きで解説してみました。
台湾の桃園空港(桃園国際空港)の入国の流れ
まずは台湾最大の空港の桃園空港(桃園国際空港)です。
この空港は日本でいう成田空港にあたり、台北行きのLCC(格安航空会社)はここに止まるので、利用される人も多いことでしょう。
自分の乗ってきた国の飛行機によって、識別カードを渡されるか、渡されないか、判断されます。
日本から乗ってきた場合、識別カードを渡されるので、ここで自分の手荷物について考えてみてください。
・肉類、肉類加工食品を持っていなかったら、カードを取る
・肉類、肉類加工食品をもっていたら、カードを取らない
というのが基準です。
自分が肉類を持っているか不安だったら、この時点でカードは受け取らないほうが安全です。
【訂正・追記】
カードが配られるのは肉を持っているかの有無ではなく到着便がどこからの出発かによって分けられています。
中国、マカオ、香港、ベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマー、タイ、韓国等のアフリカ豚コレラ高リスク国からの便の旅客は全数検査なので渡されません。— 阿雞 (@SCMcrocodile) August 10, 2019
台湾に在住されている阿雞さんから、返信をいただき、訂正しました。
ありがとうございます。
そのまま進むと、ゲートにぶつかります。
ツイッターで台湾人のばっと butさんに返信をいただいたところ、こういう基準になっているそうです。
緑の免税ラインを通る時点で違反品が見つかった場合は、罰金か入国拒否(=送還)の二択です。
赤い課税ラインなら、違反品かどうか確認してもらえるので、この場合、持ち込みできない食品があっても、罰金なしで没入だけなので、不安の場合は赤い課税ラインに行ってください。; ばっと but (@buttaiwan) August 9, 2019
・緑の免税ラインを通って違反品が見つかったら、罰金か、入国拒否(送還)
・赤の課税ラインを通ると、違反品かどうかを確認してもらえる。没収のみで、罰則なし。
という基準だそうなので、不安な人はカードを持たずに赤いラインに並びましょう。
こんな感じで荷物を検査されます。
以前はなかったんですが、今年の6月に桃園空港にいったらできていました。
この後に入国検査をして、スーツケースをピックアップし、再び検疫(この時点で中に肉類があったら、罰金!)、入国ゲートをくぐる。
という流れになっています。
上の写真の時に検査して肉類がなくても、それは手荷物だけの話です。
この後のスーツケースを受け取った後に、再び検査があります。
スーツケースの中に肉類があって、この後の検疫で見つかったら罰金を受けてしまいます。
スーツケースの中に肉類が入っていたら、すぐに捨ててください。
検疫所は撮影禁止なので、写真を撮れませんでしたが、この後の入国ゲートをくぐる前にもう一つ検査があります。
この時点でも見つかると、罰金です。
無事、大丈夫だったら写真のような桃園空港の外側(つまり台湾)にやってこれます。
まとめると、重要なポイントは2つです。
・飛行機を降りて、自分が肉類を持っていそうだったら、カードをもらわないで赤いゲートに並ぶ。
・スーツケースを受け取った後、スーツケースの中に肉類があれば、即座にゴミ箱に捨てる。
この二つを徹底すれば、台湾で罰金を課されることはないでしょう。
台湾の高雄国際空港の入国の流れ
高雄空港は利用者が少ないので、桃園空港のように入国審査前にチェックされることはありません。
スーツケースを取ると、上の写真のある場所に並びます。
この後に検疫のチェックを受けるので、その前に捨ててください。
もし見つかったら、その時点で罰金を課されます。
最後に
というわけで、台湾で入国する時、罰金を取られないために気をつけるポイントは以上です。
ぼくも2018年から仕組みがわからないでゲートを通っていたのですが、さすがに高額の罰金が課された人が身近に出ると、他人事には思えなくなりました。
うっかりミスで楽しくない台湾旅行になってしまうので、くれぐれも肉類の持ち込みには気をつけてください。
それでは楽しい台湾旅行を!
ではまた。
(桃園空港でやる入国審査、両替、SIMカード契約、地下鉄、バスなどをまとめています)
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